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【読書感想】『私の死体を探してください』

 ものすごく遅くなってしまったんですけど、note創作大賞2023で受賞された星月渉先生の『私の死体を探してください』を読んで味合わせていただきました。

Amazon.co.jp: 私の死体を探してください。 : 星月渉: 本

 ここからはネタバレになりますが、ミステリー作品ですので、どんな作品か知りたいという方が読んでも本編の謎が特定されてしまうことに関しては書いていないつもりです。

 それでも、見たくないという方は戻ってくださいね。

 まず、とにかくドキドキがものすごかったです。

 読み進めていくうちにオリンピックでスケボーのベストトリックを見た解説さんみたいに「やーばー」と何度もうなり続けました。

 もう、続きが気になって仕方がなくて、読むのを止めることができないんです。

 時々入る麻美さんの過去小説で物語が切り替わるので、それがないと落ち着くこともできませんでした。

 自分はミステリージャンルに関して全く詳しくはないのだけど、物語の随所にちりばめられた麻美さんの仕掛けになるほどと頷いてばかりでした。

 私が一番感情移入しちゃったのは実は編集の池上さんです。

 頭はすごくよくて仕事ができそうなのに時々やらかしてしまうミスが最悪の方向に行ってしまうのが読んでてとてもかわいそうで……。

 しかもその細かいミスさえも池上さんが全面的に悪いとは言えないようなものばかりだから余計にキツイ感じで、思わず頑張ってと応援したくなったのです。

 登場人物の心理描写もすごくて、騙された方は騙されてなんかいませんよと言うよねという感じなんかも興味深く魅せられていきました。

 物語の最後は運命のレールは組まれてしまったのだけど、違う未来もあったんじゃないのかなと感じさせるラストで、私の心の中にこの物語が残り続けていくんだろうなという余韻を感じました。

 とにかくすごいからたくさんの人に読んでほしいです。


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