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王政がめくれあがって見えた王

シリーズ・現代川柳と短文 005
(写真でラジオポトフ川柳093)

 道端に立っているなんの変哲もない人物を王様にするにはどうすればいいだろう。答えは「王冠をかぶらせる」一択だ。なぜなら、王冠をかぶるのは王様だけだからだ。王様のいるところ王冠あり。王冠のあるところ王様あり。すさまじく固有性の高いアイテムである。ファミレスで空いている席に案内され、そこに王冠が置かれていたらどうだろう。「王様の忘れ物だ!」誰もがそう叫び、先ほどまでその席に座っていたであろう王様を探しはじめる。触れると王冠はまだ温かい。そう遠くへは行っていないはずだ。誰が? 王様が。

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