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やけくそをきみの丘から見おろすと……

シリーズ・現代川柳と短文 134
(写真でラジオポトフ川柳222)

 これは山、これは丘、と仕分けていくのが山岳鑑定士の仕事だ。決して楽な内容ではない。1時間に数百の山岳を仕分けると目や腰は限界に達し、若さにまかせていつまでもできる仕事ではないな、と痛感する。山と思ったものが丘だったり、丘と思ったものが山だったり。そんなミスが増えてきて、山岳鑑定士はひっそりと引退する。退職金はその後の人生を安心して過ごせる額にはほど遠いから、多くの場合、山岳鑑定士の経験を活かした第二の職につかざるを得ない。

▼これまでの「現代川柳と短文」は以下から!


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