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本当の名前はアマビコ? 新型コロナを吹き飛ばす妖怪アマビエとは

 新型コロナウイルスの流行によって、一躍脚光を浴びることとなった妖怪アマビエ

 今回は流行りのアマビエについて、イラストを交え分かりやすく説明していきたいと思います。何卒、最後までお付き合いください。

1.妖怪としての能力

 アマビエは、江戸時代から伝わる日本妖怪です。よく知らない方のために、どんな妖怪なのかを簡単に説明します。

 目撃例によって多少の差はありますが、アマビエとは人間に予言除災をもたらす良い妖怪です。

 人間の前に現れたアマビエは、豊作や凶作について、そして疫病について予言します。そして必ず、災難から逃れる方法を教えてくれます。その方法とは、アマビエの姿を描き写すということです。描き写した後は人々に見せる、家に貼り拝むなど様々な事例がありますが、基本的に姿を描き写すところまでは共通しています。

2.本当の名前はアマビコ??

 「アマビエ」という名前で有名になったこの妖怪ですが、過去の目撃情報を見てみると、「アマビコ」と呼ばれていたことの方が多いようです。「アマビエ」は「アマビコ」の誤記とする説があります。

 また、アマビコと一口に言ってもその表記は海彦、尼彦、天日子など色々なものがあります。どれを正しいとするかは定められていません。

 さらに、予言除災という能力に関して、山童(やまわらわ)や件(くだん)、白澤(ハクタク)とも同じような性質とされています。

3.目撃情報

 アマビエ、アマビコの同類と思われる存在の過去の目撃情報について、年代場所呼び名(その読み方の推定)出現時に言ったとされる言葉を年代順に整理してみました。それぞれに、特徴を示すイラストをつけてあります。
(言ったとされる言葉については、現代語に意訳したものです。逐語訳ではありませんのでご了承ください。)

1844年 新潟県 海彦(アマビコ)
「今年中に、日本人の7割が死ぬだろう。しかし、私の姿を描いた絵札を見た者は死を避けられる」
 「坪川本」という瓦版の挿絵を参考にイラスト化しました。

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1846年 熊本県 アマビエ
「今年から6年間、諸国で豊作が続くが疫病も流行する。私の姿を描き写し、早々に皆に見せなさい」
 瓦版の摺物を参考にイラスト化しました。

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1871年? 熊本県 尼彦(アマビコ)
「今年から向こう6年、豊作が続くが諸国で疫病が流行り、人間が6割死ぬだろう。私の姿を座前に貼っておけば必ず病気を避けられる。これを皆に知らせなさい」
 湯本豪一氏所蔵の肉筆画を参考にイラスト化しました。

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1875年 新潟県湯沢町 天日子尊(あまひこのみこと)
「これより7年の間、この村では凶作が続く。人口はだんだん減り、今の半分になるだろう。私の姿を描き写して家ごとに貼り、朝夕私を拝みなさい。そうすれば災難を免れる」
 東京日日新聞に掲載された肉筆画を参考にイラスト化しました。

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1876年? 尼彦(アマビコ)
「今年より6年の間、豊作が続く。が、今年は国中に難病が流行し6割の人が死ぬだろう。私の姿を写して朝夕見れば、難病を逃れるだろう」
 長野新聞に掲載された肉筆画を参考にイラスト化しました。

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1882年 尼彦入道(あまひこにゅうどう)
「今年から6年間、大豊作が続く。が、今年は悪病で日本人がけっこう死ぬだろう。私の姿を貼り置き、朝夕見れば大難を避けられる」
 当時の摺物を参考にイラスト化しました。

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まとめ

 人々に予言除災をもたらす日本妖怪アマビエについて、分かっていただけたでしょうか? 姿を描き写した絵を見るだけでご利益が得られるとはありがたいですね。

「科学的根拠が無い」という意見もあるでしょう。もちろんその通りです。しかし、人間は古来より信じるものに救われてきた生き物です。要は気持ちの問題ですね。お守りと同じようなものと思ってください。

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 以上ラケットでした!

参考文献

・長野栄俊「予言獣アマビコ考--「海彦」をてがかりに」 「若越郷土研究」第49巻第2号、福井県郷土誌懇談会
・水木しげる「図説日本妖怪大全」講談社 講談社+α文庫
・湯本豪一編「明治妖怪新聞」柏書房
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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