リヒロの本棚3
実は僕の第二のふるさとは東北ではなく北海道です。大学生の頃に長い休みの度にキスリング(横長のリュック)を背負って北海道ワイド周遊券(20日間有効)の期間を目いっぱい使って一人旅をしていました。この本は今では定宿になっている網走の「あら鷲」で宿主から紹介されたものです。
北海道開拓時代に集落にヒグマが侵入して、数日のうちに多くの住民を犠牲にする様を実に写実的に描いています。物語にも引き込まれましたが、同時に吉村昭の文章が大変気に入り、しばらくは吉村昭の本を読み漁りました。
その中には北海道が舞台になった「赤い人」があります。やはり開拓時代の開拓に駆り出された受刑者たちの置かれた厳しい環境が描かれています。「破獄」は何度も脱獄を繰り返す受刑者の物語で、伝説となる網走刑務所での脱獄が見せ場となっています。どちらの物語も「網走監獄」と言う博物館で見る事が出来ます。監獄や周辺施設が移築されており、北海道の歴史や厳しい風土を知る上でも見応えのある施設です。
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