【全文公開】<首編>この動きって、何筋を使っているんだろうシリーズ〜「首」について〜
こんな思いを抱いたことはありませんか?
「この動きって、何筋を使っているんだろう…?」
今とっている”動作”と、その動作を生み出している”筋肉”をセットで学ぶことは非常に大切です。
動作と関連筋肉をひもづけられると「どこの筋肉を中心にほぐせばいいのか」というアイディアが湧いてきます。
本屋で売られている本には意外と載っていない情報です(結構、興味深い内容のはずなのになぜでしょうか…マニアックすぎて売れないのかな)。
個人的にはとても大切な知識だと確信しているので、共感していただける方に向けて発信していこうと思います。
今回は「首」編です。
<屈曲:頭を前へ倒す動き>
まずは「首の屈曲動作(前へ倒す動き)」です。
この動きでは、
①胸鎖乳突筋
②前斜角筋
③頚長筋
の3つの筋肉が主として働いています。
メインで使われる筋肉は「胸鎖乳突筋」です↓
これをサポートする筋肉として「前斜角筋」と↓
「頚長筋」があります↓
日常生活においては
・足元を見る動き
・姿勢を正す際にアゴを引く動き
・手元のスマホに注目する動き
などで使われています。
斜角筋と頚長筋に関しては喉元近くになりますから、もみほぐしは難しいです(ストレッチをかけましょう)。
胸鎖乳突筋を中心にケアしていくことが基本になります。
<伸展:頭を後ろへ倒す動き>
続いては「首の伸展動作(後ろへ倒す動き)」についてです。
この動作では
①僧帽筋
②板状筋(頭板状筋+頚板状筋)
③脊柱起立筋
の3つの筋肉が主として働いています。
メインで働く筋肉は「僧帽筋」です↓
僧帽筋の1つ下には「板状筋」があり↓
そのさらにその1つ下には「脊柱起立筋群」があります↓
日常生活においては
・空を見上げる動き
・PCモニターを注視する動き
などで使われています。
長時間のデスクワークの際は、これらの筋肉がおよそ5kgもある頭部を吊り下げる形で働いているため、非常に強く疲労します。
それぞれの筋肉のほぐし方についてはこちらでまとめています(「僧帽筋編」・「板状筋編」)。
<側屈:頭を横へ倒す動き>
続いては「首の側屈動作(横へ倒す動き)」についてです。
前から見るとこうなり↓
後ろから見るとこうなります↓
この動作では
①胸鎖乳突筋
②板状筋(頭板状筋+頚板状筋)
③脊柱起立筋
の3つの筋肉が主として働いています。
メインで使われる筋肉は「胸鎖乳突筋」と↓
背面に位置する「板状筋」です↓
そしてこれらの筋肉の下にある「脊柱起立筋」も動きに貢献しています↓
日常生活においては
・首をかしげる動き
・ソファに横向きになって寝転がり、テレビを眺める動き
などで使われています。
日常的な習慣として(あるいは身体的な”くせ”として)頭をやや横へ傾ける人が多いです。
それにより、首の左右でこわばり方が異なるケースがあります。
左右の硬さを比較しながらケアをしていくといいと思います。
<回旋(頭を横へ回す動き)>
最後は「首の回旋動作(横へ回す動き)」です。
この動作では”同側の筋肉”と”対側の筋肉”が協力して働いています。
同側の筋肉(右に回す際の右側)としては
①板状筋(頭板状筋+頚板状筋)
②最長筋(脊柱起立筋の一部)
③後頭下筋群
があります。
”右”に向かって首を回す際には、右側の「板状筋」と↓
「最長筋」と↓
「後頭下筋群」が働いています↓
また、対側の筋肉(右に回す際の左側)としては
①胸鎖乳突筋
②斜角筋群(特に前斜角筋)
③半棘筋(脊柱起立筋の一部)
があります。
”右”を向く際には左側の「胸鎖乳突筋」と↓
「斜角筋群」と↓
「半棘筋群」がセットになって働いています↓
日常生活では
・声をかけられたときに振り向く動き
・ソファに座りながら、斜めの位置にあるテレビを眺める動き
などで使われています。
リビングでの食事の際にテレビを見ようとして(無意識のうちに)首を回しているケースがよくあります。
日常的な習慣として(あるいは身体的な”くせ”として)染み付いてしまった回旋動作は、やがて筋肉のこわばりとして表面化してきます。
まずはバランスの悪さに気づく事が大切です。
==
<まとめ>
首というのは、さまざまな筋肉がセットで働く複雑な動きです(今回紹介した筋肉はあくまで主として働くものだけです)。
ぜひイラストも参考にしながらよく読み込んでみてください。
では今回も最後までお読みいただきありがとうございました^^
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