「褒めて伸ばす」エンハンシング効果
「やる気スイッチ」という言葉があります。何をするにもやる気さえというものはとても大切です。この言葉自体は個別指導スクールIEという塾がCMで使い、流行した言葉だと思います。
このやる気スイッチについては議論があります。それは「やる気スイッチを押すことができるのは誰か?」ということです。この議論を考える上で心理学の効果を1つ紹介すると
エンハンシング効果(enhancing effect)
というものがあります。これは内発的動機を持つ人に対して「すごい!」などの言葉による報酬や他人からの称賛がやる気を生み出すという心理効果です。自発的に好きでやっていることに対して、そのことを肯定されると嬉しくなってしまうというものです。これに対して
アンダーマイニング効果(undermining effect)
これは、エンハンシング効果とは真逆の考え方で内発的動機付けによる行為に対して、外発的動機づけ(お金の報酬を与えるなど)を行うと、逆にそれが目的化しやる気が無くなってしまうというものです。
褒めて伸ばす
という行為には賛否両論あります。褒め過ぎると褒められることを常に求めて褒められなければ何もやらなくなるという意見もよく聞きます。しかし、それは「褒め方」に問題があるように思います。生徒の内発的動機を理解した上でその気持ちに沿った形で承認し、称賛するということが大切だと思います。また具体的な行為だけを褒めるのではなく、生徒の存在自体を認め、褒めることも重要です。「掃除に取り組む姿勢が素晴らしい。皆あなたを見習って真剣な想いで掃除ができるようになってきた。ありがとう」というような褒め方は生徒のクラスへの貢献意欲を高めるはずです。
やる気スイッチを押すのは「自分自身」
最初の問いに戻りますが最終的にやる気スイッチを押すのは自分自身です。CMのように塾の先生や教師が強制的に生徒のスイッチを押すことはできません。だからこそやる気スイッチの場所を私たち大人が見極め、適切な声掛けや承認をすることで生徒自身がスイッチを押すことができます。そのサポートしていきましょう。親は「木」の上で「立」って「見」るしかできません。先生も「先」に「生」きてきただけです。無理矢理スイッチを押そうとせず、私たちがやる気スイッチを押した時の実体験を話すことできっと生徒の心に響くはずです。
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