【全然分からなかったけど面白かった】映画-ルート29【ネタバレなし】
ルート29を見てきた。
タイトルにある通り、𝘍𝘦𝘦𝘭𝘪𝘯𝘨でいろいろと感想を書きます。加筆:マジックリアリズム的な映画ってこういうものを表すんですね!
まず、こういった、率直な表現をすれば「分かりやすくない」作品が残っているということそれ自身が嬉しいと感じる。最近はドラマにしてもアニメにしても、演出やセリフが分かりやすくなった。余白を残すような演出ではなく、過度に説明的になった。それ自体に貴賎はないと感じるけども、その分ストーリーのゴールが見えやすくなった。この時代の観客の堪え性の無さに合わせた、作品の作り方の変化だとは思う。一方、この作品は説明が少なくて、というかセリフの量がかなり抑えられていて、しかも終始抽象的な表現が含まれていて、夢の中のような現実離れした登場人物や表現が多かった。分かりやすい作品にすっかり慣れてしまった私には、正直難解だと感じた。
そもそもわたしは美術があまり得意ではなくて(疎くて)、モンドリアンなどそういうものの良さが全くもって分からない。読み取って想像を広げるのに長けていない。なのでこの映画は、シーン一つひとつの意味を頑張って解釈して読み取るよりかは、ただ印象を受け取る、という方が見方としては近いのかもしれない。観客全体に対して、どこか辿り着いてほしい終着点を提示するタイプの映画ではなかった。
少なくとも大衆的な作品ではなく、刺さる層を選ぶ作品だと感じた。それはストーリーが難解なわけではなく、この映画の意味するところを、観客自身が自分の中に見つけていく必要がある点にある。観客をある方向へ導いてくれるガイダンスを持ち合わせてはいない。星座を見つけるように映画を鑑賞すれば、点在するシーンたちにひとつの共通する色の輝きを感じられるはず。
数々の登場人物がいるわけだけど、その言動はかなり劇画的。リアリティとはかけ離れたユニークな世界観でありながら、そのユニークさを真っ当に描いていて、ずっと目を離せないし音のこだわりもあって面白かった!けど、なにがどう具体的に面白かったと出てこない!難しかったです…