毎日がスリル、ショック、サスペンス
私、子供の頃から「よく気がつく優しい子」で通っていたんですよ。
一番最初にそう評してくれたのは通っていた保育園の保育士の先生。
それ以降も学生のうちの私の評価は「優しい子」でした。
だから、ASD……というかアスペルガー症候群だと診断された時、「……んん??」って。
「空気が読めない」
というのがピンと来なかったんです。
これまでの私の評価が「よく気がつく優しい子」でしたので、空気が読めない筈がない……と。
最近、やっと自覚しました。
私、空気全く読めてませんでした。
1ミクロンも読めていませんでした。
どういうことなのか説明します。
私は“空気を読むことが必要な場”に行くと、
・まず全感覚を使って、その場の情報をかき集め。
・これまでの知識を総動員して得た情報を分析。
・分析結果を基に相手の気持ちや考えを推理、もしくは予測。
・そして行動。
これを、「空気を読む」と勘違いしていたんです。
…………で。
これは「空気を読む」ではなくて、
「空気を分析する」
「空気を解読する」
「空気を推理する」
「空気を予測する」
なので、
めちゃくちゃ疲れる。
1時間程度相棒見たり、2時間程度映画版名探偵コナンを見るのは楽しいと思います。
日常のほんの空き時間に推理小説読んだりするのは楽しいです。
…………ただ。
24時間、365日、ミステリーの世界で推理考察し続けるのはめちゃくちゃしんどい。
あと、毎日相棒を見ているのであれば、パターンが決まっているので推理も楽です。
…………が。
突然、唐突に相棒からTRICKの世界に放り込まれると、分析しなければならない情報量の大きさにアスペ女子は死ぬ。
これが、
「アスペルガーはパニックを起こしやすい」
「アスペルガーは環境が変わるのが苦手」
「アスペルガーは決まりきったルーティンワークの方が楽」
の正体です。
私は生まれた時からアスペルガーです。
診断されたのは成人後ですが、生まれた時からアスペルガーです。
定型の人たちの感覚というものがわかりません。
定型の人たちは見る、聞く、呼吸するのと同じような感覚で空気が読めると知って驚愕しました。
あと、「そりゃ定型の人と比べて疲れやすいよな……」と、すごく納得しました。
私たちアスペルガーは定型の人に備わってる機能が備わっていません。
その状態で定型の人と同じ土俵で、定型の人に合わせて動こうとしたら、そりゃ疲れます。
片足動かないのに、両足が動く人の歩く速度に合わせて毎日全力疾走しているようなモノ。
そりゃ、疲れます。
定型の人がアスペルガーの人を見ると多分、
「何で毎日疲れた疲れた言ってるんだろう?」
「何でいつも気がついたら寝てるんだろう?」
「何ですぐ体調不良になるんだろう?」
と思うかもしれませんが。
ガラケー(アスペルガー)なのにスマホ(定型)並みのタスクをこなそうとしているからです。
すぐ電池切れを起こすのは仕様なんです。
今までアスペルガーの同類さんに会ってきて、特に女性アスペルガーは私と同じく「よく気がつく」「優しい」って評価されてる方、案外多いんですね。
多分恐らく、定型の世界に過剰適応しようとした結果だと思います。
「よく気がつく」とか「優しい」とか言われてるアスペ女子の皆さん。
休める時は思いっきり休んでください。
絶対に無理はしないでください。
あと、もうひとつアスペ女子に多い評価がコレ。
「天然(ボケ)」
私ももれなくこの称号をいただきましたとも。
何故かというと、情報量が多すぎたり情報解析スピードが追いつかなくてアスペルガーはよくバグるんです。
バグった状態で出した推理や予測に基づいた行動を本人は真面目に取ってるんですが、
周囲から見たら天然ボケやらかしてるようにしか見えない。
ですので、ネットやSNSを介して会話する印象と実際に会って話す印象が違うのもアスペルガーです。
ネットやSNSだと情報を解析する時間がたっぷりあるので、天然ボケをやらかさないんですよね。
実際に会ったら天然ボケの連発でびっくりしたとよく言われます。