パートナー先への常駐時にやるべきこと (part2)
皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。
以前、「パートナー先への常駐時にやるべきこと」というnoteを書かせていただきました。しかし、このnoteを書く中で、書いた内容以外(私がやっていること以外)にも常駐時に他のパートナーセールスの方々がやっていることがあるのではないか、そもそもパートナー企業への常駐施策を取っているSaaS企業のパートナーセールスの方々はどれほどいるのだろうかと思い、改めてさまざまなSaaS企業のパートナーセールスの方々にお聞きしてみました。
今回はパートナーセールスにおける常駐施策でやっていることの追加と、パートナー企業への常駐施策をやっているSaaS企業がどれくらいあるのか、さらには常駐施策をやらない(やれない)理由として多かった理由について、まとめさせていただきます。
パートナー先への常駐時にやるべきこと(前回からの追加)
前回の「パートナー先への常駐時にやるべきこと」のnoteでは、6つのやるべきことをまとめさせていただきました。今回はさまざまなSaaS企業のパートナーセールスの皆様に教えていただいた、常駐時にやっていること・やっていたことをまとませていただきます。
1. 常駐時に何らかイベントを作り、夜まで一緒に共にする
まずは事前にゴール設定をマネージャーと行います。その後、例えばですが、
朝:10分間の学習会を開催する
昼:1日営業同行day(これがメインイベント)
夕:振り返り(マネージャー含め)
夜:そのまま一緒に飲みに行く
といった流れで、朝から夜まで一緒に行動を共にするといった活動です。朝から晩まで行動を共にすることで関係性がこれまで以上に強化されるため(親近感が湧くため)、このような施策を実施されていたとのことでした。
私の場合、単発での飲みや営業同行とかはたまにありますが、さすがにここまではやり切れていなかったです。
2. 他ベンダーのオペレーションを確認
パートナー側の体験向上を目的に、他ベンダーのオペレーションフローを確認するといった施策です。ベンダーごとの見積もりや案件依頼(同行依頼やトスアップ方法)などのフローが異なるため、パートナー側の営業担当からするとベンダー1社1社のフローを覚えるのが一苦労です(というより、パートナー側の立場だったら普通にめんどくさいですよね)。 パートナー側のオペレーションを軽減させたいという目的で、他社のオペレーションを目の前で実際にやってもらい、自社のフローとの違いの把握やかかる時間を計測するなど、オペレーション面での改善余地はないのかを検討、提案されるといった内容です。
これもやれておらず、ここまで気が回ってなかったな・・・と深く反省。。
3. 営業事務などオペレーションやサポートの担当の方とも面談する
現場の営業担当やマネージャーとの面談をされている方は多いかと思いますが、営業事務などまで面談されている方は少ないのではないでしょうか…?
上述のように、ベンダーによってオペレーションが違い、特に大変なのが営業事務などのオペレーションやサポートの担当の方々です。これらの方々とも面談し、上述2.で書いたようにオペレーション上での改善余地などを提案したりするなど、これらの方々を味方にすると、社内情報を結構いただけたりするみたいです。
私の場合、面談というところまではやれていないですが、営業事務の方々ともお話するようにはしています(ただ、もっと提案もしなくては…)。
4. 18時以降の営業のいる時間に案件ついでに飛び込む
これは少し常駐とはずれるかもしれませんが、パートナーの営業担当の皆さんが戻ってきてるであろう、もしくはオンラインの場合は商談が全て終わってるであろう18時以降の時間を狙って、案件のついでにお邪魔する(飛び込む)といったことをやってらっしゃる方もいらっしゃいました。
常駐しないのであれば、18時以降の時間帯に飛び込むってのもありですね。
5. お菓子配り作戦
お菓子やノベルティなどを配って、営業担当との接点を取ろうと試みる作戦です。例えばですが、
特にパートナーの営業担当へ提案などを仕掛けるわけではなく、「お疲れ様です〜」と言いながらお菓子を全営業担当に配る(もちろん営業事務の方たちにも!)
オフィス内の常駐がセキュリティの兼ね合いなどで厳しく、会議室やブースでの常駐しか叶わない場合、会議室(ブース)に相談に来てくれたらお菓子やレッドブル、ノベルティを配る
自身がプライベートで旅行に行った際にお土産を買ってきて、配りまくる
などを行うことです。
私も旅行に行く度に、パートナー様はもはや仲間だと思ってるので、自社の社員と同じようにお土産を買ってきて、よく配っております笑
6. 事例を配る
そのパートナー様経由で導入が決まった企業の導入事例や実際の運用後の成功事例など、パートナー様へ持って行ってお配りするという方法です。
これは紙に印刷して配って、説明するってことはあまり実施できていなかったです。事例を作って、チャット上(メルマガ)で発信する程度でした。。
7. 座席表をもらう、または作る
常駐時に誰がどこに座っているのか把握する、加えて組織体制(チーム体制)を把握するために座席表をもらう、またはヒアリングして作るといった内容です。
これは私もよくやっており、座席表や組織図(組閣表)をいただける先はいただく、いただけない先はヒアリングして作成するというのは必須でやってます。
8. 他ベンダーで常駐している人と仲良くなる
自社以外のベンダーで常駐している方、そのパートナーさんに入り込んでいる方と仲良くなり、いろいろな情報や入り込むためのノウハウを教えてもらったりするといった内容です。特に、弱い商材(付加価値が低い、競合商材より劣っている等)のパートナーセールス担当はパートナー側の営業担当にべったりくっ付いていることが多いので、もはや師匠化してしまい、いろいろ教えを乞うといろいろな情報やノウハウが手に入りやすいみたいです。
他ベンダーが常駐しているケースもありますが、あまり他ベンダーの常駐している方を師匠化するという考えがなかったので、これは参考になりました。
9. 一緒にタバコを吸いに行く
これはそのままの内容で、パートナーの営業担当やマネージャー、決裁者(事業部長や役員など)と一緒に休憩がてらタバコを吸いに行くといった行動です。The 昭和な営業スタイルと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが意外にも有効的で、タバコ部屋でのおしゃべりからいろいろな情報が仕入れられたりします。
私は非喫煙者であるため普段はタバコは一切吸わないですが、たまーにパートナーの決裁者などから誘われることもあるので、その際にいつでも行けるように常に電子タバコをポケットに仕込んでおります笑
10. 出向する
常駐とは少し異なりますが、パートナーの内部(既存取引先の社名や属性、組織体制や力関係、動く力学など)を知る、自社プロダクトの拡販を進めるためにいっそのことパートナー先に出向してしまうというのも1つの手段です。特に、金融機関とかですと、もはや出向してしまうのが早いかもしれないです(ちなみに、私自身が元銀行員ですので、銀行時代の経験も鑑みると、金融系に対しての出向という手段はけっこうアリかと思います)。
私自身、出向まではやってないですが(もはや出向に等しいくらい常駐しているパートナーもありますが)、出向という手段を使っているSaaSベンダーも結構いらっしゃるようです。
パートナー先への常駐をやっているSaaS企業の割合
上述のように、私がやれていない施策も含め、たくさんの常駐時にやるべき施策を教えていただきました。一方で、常駐をやっているSaaS企業さんが思った以上に少なかったのが意外でした。
パートナー先での常駐有無について回答いただいた分母数がおおよそ30社前後くらいで、そのうち常駐していると回答されたSaaS企業さんは3〜4割程と半分を切っているという結果になりました。
※前提、分母数が少ないため、常駐してる割合は前後するとは思います。
常駐施策をやらない・やれない理由
下記の理由が圧倒的に多かったです。
1. パートナー制度をまだ開始したばかりで、そこまでパートナー側との関係性構築ができていない
パートナー制度を新たに開始、または1度仕切り直して再度パートナー制度を組み立て直して開始したというような状況のSaaS企業では、「常駐できるほどの深い関係性を築く」というところに大きな課題を抱えているようです。
2. パートナーセールスのリソース不足
パートナーセールスを1〜3名程の少数精鋭の体制で行なっているSaaS企業も結構多く、パートナーセールスのリソースの問題でできないという理由も多く挙がってきました。特に、直販が強い・好調な企業やまだアーリーステージ(シリーズA〜Bくらい)のスタートアップであったりすると、パートナーセールスのリソースが少ない傾向にありました。
3. セキュリティの問題でパートナー先に常駐ができない
パートナー側のセキュリティの問題で常駐ができないというケースが多い、常駐できたとしてもフロア外の会議室やオープンスペースくらいでしか常駐できないといった理由も多くありました。ただ、これは役員クラスからのトップダウンとかで突破できるケースもあります(現に私も、役員からのトップダウンで常駐可能になったことがあります)。
最後に
このようにさまざまなパートナーセールスの方々にヒアリングし、一次情報を取りに行くことで、まだまだ私自身やれてないことも多いとわかりましたし、こんな施策もあるんだーという新たな発見にもなりました。
SaaS領域におけるパートナーセールスの正攻法がまだ日本になく、Web上や書籍にも載ってない以上、一次情報を取りに行くことの重要性を改めて痛感しました。今後も引き続き一次情報を積極的に取得しに行こうと考えてますし、常駐をやっていないけどパートナービジネスうまくいっているよーというSaaS企業さんではどんな取り組みをされているのか、もっと深ぼって今後も聞いていきたいと考えています。
また、この場を借りて、常駐有無の回答や常駐時にやっていることを教えていただけたパートナーセールスの皆様、感謝申し上げます。ご協力いただき、有り難うございました。
それでは来週のnoteもお楽しみに!