指しゃぶりはやめさせなくていい?子どもが指しゃぶりをする理由
今回は子どもの指しゃぶりについてのお話です。
皆さんは、子どもの指しゃぶりについて、
どのように感じているでしょうか?
私は日頃指しゃぶりについて、
・不衛生
・お行儀が悪い
・歯並びが悪くなってしまう
・早くやめさせたい
など、あまり良くないイメージを持たれている
パパママが多いな~と感じています。
結論から言いますと、
そんなに神経質にならなくても大丈夫です!
私がパパママからご相談をうけたときは、
そんなふうに返しています。
子どもが指しゃぶりをするのには
ちゃんと理由があります。
そしてその理由というのは、
月齢によって異なります。
大切なことは、
月齢によって違う
指しゃぶりをする理由を知り、
その理由にあった対応を
してあげることだと思います。
それでは、月齢別にその理由について
お話していきますね。
【月齢別指しゃぶりをする理由】
①胎児期
・お腹の中の赤ちゃんも指しゃぶりをしていた
②生後2~3ヵ月
・哺乳反射の影響
③生後4~8ヵ月
・食べるための練習をしている
④生後9ヵ月以降
・習慣化の始まりは9ヶ月頃から
・自分をコントロールする手段
・やめさせた方が良いの?
①胎児期
【お腹の中の赤ちゃんも指しゃぶりをしていた】
実は赤ちゃんは、
お腹の中にいた時から
指しゃぶりをしていました。
これは生まれてすぐに
おっぱいやミルクを飲むための準備で、
自分の指を乳首に見立てて練習しているのです。
運が良いと妊婦健診でエコーをしたときに
指しゃぶりをしている姿を見ることもできます。
また、実際に生まれたばかりの新生児の指に
「吸いだこ」が見られたという報告も出ていて、
結構な頻度と時間で
指しゃぶりをしていたのかなと想像ができ、
なんだか可愛らしいですよね。
②生後2~3ヵ月頃
【哺乳反射の影響】
赤ちゃんは生後2ヵ月ごろになると、
自分の手を口のところにもっていったり、
げんこつをなめたりする姿が
みられるようになります。
また、生後3ヵ月の頃には
玩具を握ることができるようになり、
手に持った玩具を口に入れたり、
なめたりして遊ぶことが多くなってきます。
これらの行動は、
口の中に入ってきたものに対して
反射的に強く吸う(吸てつ反射)や
唇に触れたものの方に首をまわす(探索反射)などの
赤ちゃんがおっぱいを吸うために備わった
哺乳反射があるからです。
これらの哺乳反射は
生後3~5ヵ月にかけて弱まり、
生後6~7ヵ月頃までには
ほとんどなくなります。
よって、2~3ヵ月頃までに見られる指しゃぶりは
哺乳反射によるものなので、
のちのちまで指しゃぶりが続くのではないかと
心配しなくても大丈夫です。
③生後4~8ヵ月
【食べるための練習をしている】
生後5~6ヵ月になると離乳食が始まり、
おっぱいやミルク以外のもので栄養を
とるようになってきます。
スプーンや食べ物など、
乳汁以外のものが口に入ってきても
対応できるようにしておかないと、
離乳食を始めることができません。
そのため、
手や指、玩具などを口に入れて、
色んな感覚刺激を経験しています。
また、
くちびるや舌、あごなどが
それぞれの動きをはたせるように練習したり、
自分の意思で目と口、手と口など
連動した動きができるように
練習しているともいえます。
この時期の指しゃぶりや玩具なめは
食べる機能を発達させるために
とても大切な行動となっているのです。
④生後9ヵ月以降~
【習慣化の始まりは生後9ヵ月頃から】
食べるための練習となっていた指しゃぶりですが、
それは、哺乳反射が消失する
7~8ヵ月頃までのことで、
それ以降の指しゃぶりは食べる機能の発達とは
関連がなくなってきます。
そのため、
生後9ヵ月頃からの継続した指しゃぶりは、
習慣化の始まりともいえます。
【自分をコントロールする手段】
1歳をすぎてからは、
指しゃぶりの主役である口と手が、
発達にともない
“手を使った遊び” や
“言葉のコミュニケーション” の
役割を担うようになり、
徐々に指しゃぶりの頻度は
減ってくる時期ではあります。
では、この時期の子どもにとって
指しゃぶりはどんな意味があるのでしょうか?
それは、
“他のものに代えがたい心地よい行動”
となっていることが多いです。
この時期は、
身体的、精神的に著しい発達があり、
さまざまな面で、
自立の一歩を踏み出す時期でもあります。
保育園に行くようになったり、
お友だちと遊ぶようになったり、
弟や妹がうまれたりと、
子どもにとっての
ストレスが大きくなる時期です。
それらのストレスを発散し、
自分をコントロールする手段として
指しゃぶりは、必要不可欠なものになっている
ということです。
【やめさせた方が良いの?】
もし指しゃぶりを無理にやめさせたとしても、
タオルやハンカチ、
シーツの隅っこ、ぬいぐるみなど、
“これがあると落ち着く! ”
といった、自分の指に代わるものを
探す子どもが多いです。
それだけ、その子どもが
心理的安定をもたらす何かを
必要としているということなんですね。
歯並びが悪くなるから!と、
無理やりやめさせるよりも、
子どもの全体的な発達の一部として
指しゃぶりをとらえ、
徐々に軽減させてあげられるようにしたいです。
この時期の子どもが
指しゃぶりをする理由はさまざまですが、
まずはどんな時に指しゃぶりをしているのかを
観察するのが大切です。
遊んでいるときに
一人だけ遊びの中に入っていけないとき、
何もやることがなくてボートしているとき、
初めての場所に行って緊張しているときなど、
その場面で
子どもがどんなストレスを感じているのかに
配慮することが大切な作業になってきます。
ここまで子どもの指しゃぶりについて
お話してきましたが、
3歳すぎ頃までの指しゃぶりは
あまり神経質になりすぎず、
一緒に遊ぶなかで、
指に対する関心を他に向け、
親子で楽しい時間を過ごせるように
工夫していけたら良いと思います。
それでは、
今回もお読み頂き
ありがとうございました^^