成田悠輔著|22世紀の民主主義
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今回はSBクリエイティブさんから2022年7月15日に出版された、今、バズりにバズってる成田悠輔(なりたゆうすけ)さんの『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』をご紹介したいと思います。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
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それでは本題です。
今、日本は人口も減少して、超高齢化社会になって、優秀な人材や企業は海外に出て行ってしまう...そんな停滞と衰退の一途をたどっているこの国の暗雲を、どうしたら晴らすことができるのか。
著者の成田さんは、それは政治を変えることである。と言っています。
では、どうすれば政治を変えることができるのか。
それは、選挙を変えることです。
選挙のたびによく、「若者よ、選挙に行こう」と、耳にすることがあると思いますが、成田さんは若者が選挙に行ったくらいじゃ何も変わらないと言っているんです。
著者の成田さんは、昼は日本で会社の代表を務めながら、夜はアメリカのイエール大学で教授として活動されている方で、ご存知の方も多いかもしれませんが、発言がキレキレで、天才であり、少しサイコパスなところもあると、今話題の方なんです。
そんな成田さんが書かれた本書の主張は、「今の日本の民主主義は終わってるから、闘うか、逃げるか、一回壊して、革命を起こすかしかない」というものです。
今の日本は、若者が選挙に行ったくらいじゃ何も変わらないんです。
というのも、今の日本人の平均年齢は48歳くらいなんです。そのうち30歳未満の人口は、全体の約26%しかいないんです。
そして、全有権者に占める30歳未満の、有権者の割合は13.1%しかないんです。
2021年の衆議院選挙における全投票者に占める、30歳未満の投票率は、8.6%しかないんです。
要するに、若者というのは、この国では超超マイノリティなんですよ。
そんな超超マイノリティの若者が選挙に行って投票率が上がったとしても、超マイノリティになるだけで、選挙で負けるマイノリティであることには変わりないんです。
そこで成田さんは戦うか、逃げるか、革命を起こすか、と言う3つの提案をしているんですですが、戦っても逃げても根本的な解決にはならないので、成田さん的にはゼロから革命するべきだと言っているんです。
その革命というのが「無意識データ民主主義」と言うものです。
民主主義は壊れている
そもそもなぜ今の民主主義が壊れてしまったのか
その原因の1つが、インターネットの普及や、SNSの普及に関係あるんです。
と言うのも、民主主義な国ほどインターネットやSNSが普及していき、今はSNSをうまく使って、陰謀論を拡散したり、スキャンダルを暴露して炎上させたりと、インターネットやSNSをうまいこと使えば、世論を操れてしまうんです。
要するに、陥れたい人を陥れることもできるし、国民からの支持を得たいなら、国民が喜びそうな出来もしない政策を、「私にはできる」と、言い切ってしまえばいいんです。
つまり政治家もSNSや世論を気にしすぎてパフォーマンス重視になっているんです。
それによって、未来への投資が弱ってしまい、民主主義は壊れていき、民主国家は衰退していってるんです。
2000年を過ぎたあたりから、インターネットやSNSが世の中に出てきて、そこから現在までの20数年の間に、民主主義な国ほど経済が衰退していってるんです。
それ以外にも、リーマンショックでも危機に陥った国は、そのほとんどが民主国家だったり、今回のコロナでも、民主主義の国ほど、コロナで人が亡くなり、経済も失墜していったんです。
データ分析のプロの成田さんは、しっかりとしたエビデンスを元に、もう民主主義は無理だと言っているんです。
そこで、成田さんが提案してるのが、冒頭でも少しお話しした、戦うか、逃げるか、革命を起こすか、の3つなんです。
闘争
まず戦うと言うのは、何も、独裁国家を作ろうと言うものではなくて、今の民主主義と愚直に向き合って、挑戦調整や改良によって、テコ入れしていこうと言うことです。
例えば、政治家の目を、世論より成果へと振り向けるために、政策の成果指標に紐付いた、政治家への再選保証や成果報酬を導入してみるというものです。
要するに、政策には時間がかかるものもあるので、政治家が引退した後でも、その政策が未来に与えた成果に対して、政治家の老後の年金を支払うと言うものです。
今、世間からどれだけ批判を浴びるような政策だったとしても、将来的に成果をもたらしたのであれば、報酬を支払うと言う制度です。
実際にこれは、シンガポールでも取り入れられているんです。
他には、年齢制限などを設けて若者の投票率を上げるだけではなくて高齢者の投票率を下げると言うところまでやるんです
例えば、投票する権利に制限を設けたり、政治家として立候補することに年齢制限を設けるんです。
これも、海外では実績のある取り組みなんです。
とは言え、これらは今の日本では、実現の可能性は低いように思われますよね。
今の制度の選挙で勝ち抜いて、地位を築いた今の政治家が、この制度を受け入れるかどうかと考えたら、無理そうなのは明らかですよね。
だとしたら、いっそ戦うのを諦めて、今の民主主義から逃げてしまうのはどうでしょうか。
逃走
例えば実際にあるのは、1部の富裕層が、税金のかからない地域に移住するタックス・ヘイブンというものがあるのですが、それと同じ考え方で、民主主義のルールから逃げて、自分たちだけの自由な国を作ろうと言うことです。
夢みたいな話ですけど、そのような試みと言うのは、実はすでに各地で進行中なんです。
実際にこの世界には、公海と言われる誰のものでもない、公の海が存在するんですよ。
そこに、新国家群を作ろうと言う計画もあるんです。
しかもそれを支援しているのが、PayPalの創業者ピーター・ティールだったり、実績も資産もある人たちなんです。
ですが、そうやって民主主義から逃げても、根本的な解決にはならないし、新国家を作るなんて、もはや神々の遊びでしかないんです。
なので、成田さんは、戦うのでもなく、逃げるのでもなく、革命を起こすしかないと言っているんです。
革命
成田さんの言う革命というのは、「民主主義の再発名」です。
そこで、成田さんが提案しているのが「無意識データ民主主義」なんです。
インターネットや監視カメラが捉える、会議や街中、家の中での言葉や、表情やリアクション、心拍数や安眠度合い、そういった選挙に限らない、無数のデータから人々の、自然で本音な、意見や価値観をデータにした、民意データを集めるんです。
そして、その無数の民意データから、意思決定するのがアルゴリズムです。
このアルゴリズムのデザインは、人々の民意データに加えて、GDPや失業率、学力達成度、健康寿命など、そういったデータを組み合わせて最適化を図るんです。
もうこの時点で、天才すぎて、何言ってるかよくわからないんですけど、頑張って解説したいと思います。
要するに、「無意識データ民主主義」と言う名前の通り、私たちの無意識のデータを収集して、それを政策に生かしていこうと言うものです。
選挙って数年に1回じゃないですか。
そうではなくて、私たちの日々の行動のデータを集めて、政策を決めていくと言うことです。
分かりやすく言うと、ネットで買い物をするときに、アマゾンや楽天といったECサイトが、オススメの商品を勝手にレコメンドしてくれるじゃないですか。
それと同じ要領で、データとアルゴリズムで、コンピューターが政策を提案するといったイメージです。
もはや、フィクションみたいな話になってるんですけど、よくよく考えると、投票用紙を集めて集計している選挙は、データを集めてるのと一緒ですよね。
それをより細かく、もっと民意の本音が分かるデータを集めて政策に反映させようというものなんです。
仮にこの「無意識データ民主主義」が実現すれば、政治家が不要になると成田さんは言うんです。
どういうことかと言うと、今の政治家が担ってる主な役割は二つなんです。
ひとつが、政策を決めて実行する「調整役や実行者としての政治家」
もうひとつが、政治の顔になって、世論の熱狂や非難を引き受ける「マスコットやサンドバッグとしての政治家」
もし、無意識データ民主主義が実現すれば、ひとつ目の「調整役や実行者としての政治家」は、ソフトウェアやアルゴリズムに置き換えられて、自動化されていくし、
ふたつ目の「マスコットやサンドバッグとしての政治家」もネコやバーチャル・インフルエンサーのような仮想の人物に置き換えが可能なんです。
こうやって、選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる。と言うのが、成田さんの主張です。
今回は、成田さんが天才すぎて凡人の私には難しい部分も多かったのですが、内容はめちゃくちゃ面白いので、気になる方はぜひ、手に取ってみてください。
今回は以上です
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした
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