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今週読んだ海外記事と雑感(9/23)

ただでさえ曜日感覚が希薄なのに、サンクトペテルブルクにきてから日本との時差でさらにわけわからなくなってしまい、うっかり今週の記事まとめをすっ飛ばすところでした。

今週は土曜日も記事ピックしていたので本数多め。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

H&Mが外部ブランドの商品取り扱いを試験的に開始

H&Mが自社商品以外の取り扱いを試験的に開始するとのこと。具体的にどんなセレクトをするのかはまだ定かではありませんが、今後ますます「小売店」と「ブランド」の境目が曖昧になっていくことを感じます。
ちなみに姉妹ブランドである&Other StoriesやArketではすでに外部商品のセレクトを行なっており、そこで得た結果を踏まえて本丸のH&Mでもセレクトの取り扱いに舵を切ったのかなと思います。

ロンドンの老舗社交クラブがウェルネス施設を拡充

ロンドンの老舗社交クラブ「The Arts Club」が会員向けにジムや健康診断、スパなどを完備したウェルネス施設をオープン。イギリスは伝統的に紳士クラブなどの会員制度が発達しており、コミュニティベースの場づくりの参考になります。
グレードの高低はあると思いますが、今後こうしたコミュニティドリブンで施設や店舗を作り、さらにコミュニティのエンゲージメントを高めていくというやり方が増えていくのではないかなと。

M.M.LaFleurが『すぐ買える』小型店舗を増やす理由

D2CファッションブランドのM.M.LaFleurが、キャリア女性向けに「すぐ買いたい」アイテムを集めたTo Goショップをオープン。デオドラント製品やベーシックなシャツなど、大事なシーンの前に汚れたり忘れたりして困りそうなものを小さなスペースに集め、効率よく販売するという形式。
M.M.LaFleurはオンライン主体のブランドで、実店舗も基本は予約をしてフィッティングするという流れで作られており、ある程度エンゲージメントが高くないと購入に踏み出しづらいブランドですが、こうしたすぐ欲しいものを販売しつつオンラインで買った商品を受け取ったり返品したりできる小型店舗が増えれば、メディアとして機能しつつ販売効率もあげることができるのではないかと思います。
個人的にはこうした小型店舗出店による顧客接点増加施策は有効なのではないかという仮説を持ってるので、M.M.LaFleurがどのように店舗を増やしていくのかもきになるところです。

エシカルなスニーカーブランド・Vejaのブランド哲学

エシカルファッションを牽引するスニーカーブランド「Veja」の創業者インタビュー。創業者はどちらも政治学を専攻しており、環境や労働環境に配慮したものづくりの実現という方向からD2Cに行き着き、15年かけてゆっくり育ててきた歴史も人気のポイント。
さらにインタビューにもあるとおり、ベンチャーでありながら全員が18時には仕事を終了させられるペースで働くという穏やかなあり方もまた現代的なブランドだなと思います。
ブランドの思想や彼らの歴史は、下記のPodcastも非常に面白いです。https://podcasts.apple.com/jp/podcast/the-business-of-fashion-podcast/id1225204588?i=1000443731439

ファッションレンタルは小売店をどう変えるのか

ファッションレンタルをとりまく概況についての分析記事。今のところファッションレンタルの市場規模はファッション市場全体の1%程度ですが、全体の成長率が鈍化する中、レンタルの方は年率24%で成長しつづけているとのこと。
記事の中にレンタルサービスの流通をサポートする企業としてCaaStleが出てきますが、今後レンタル専門ブランドだけではなく各ブランドが事業のひとつとしてレンタルを開始するとなった場合に、レンタルならではの流通の仕組みを外注する先としてCaaStleのような企業が世界的にも増えていきそうだなと思います。
また、Le Toteが 百貨店のLord + Taylorを買収していたとは驚き。RTRも百貨店との協業を進めていますし、レンタルサービスが実店舗を必要とするフェーズになり、さらに買えるだけの資金力を得たことも時代の大きな変化を感じます。

BaShが商品の無料レンタルをはじめた理由

ファッションブランド「BaSh」が毎週金曜日の17時〜19時限定で商品を無料で貸し出す「Dream Closet」が好評のため複数店舗へ展開予定とのこと。ドレスが7万円ほどするブランドですが、この取り組みによって2時間で100人近くの来店があり、レンタルした人には安く販売するなどの施策によってマーケティング効果が高いと判断したとのこと。
貸し出す商品は前シーズンのものなのでディスカウントして販売することの合理性もありますし、金曜日の借りるタイミングと月曜日の返すタイミングで店舗に訪れてもらい、買い物を促すのはいい顧客接点になるのではないかと思います。
さらにレンタルのタイミングで連絡先やカード情報もとっているのでその後のマーケティングにも生かしやすそう。
一方でオペレーション負荷も大きいため安易に取り入れられる施策ではありませんが、来店の心理的ハードルが高いブランドには効果の高い施策ではないかと思います。

Instagramは中国でどのように使われているのか?

中国ではInstagramは長らくブロックされてきましたが、海外留学をする若者が増えた影響で帰国子女を中心に「Instagramを使うのがクール」という流れが起き、富裕層向けのブランドが国内マーケティングのためにInstagramを活用しはじめたという話が面白い。たしかに国内で過ごす分にはWechatやlittle red bookで十分とはいえ、海外情報を得ようと思ったらInstagramに流れるのは必然かも。
この動きを見越して中国政府もたびたびVPNブロックの強化をしているものの、抜け道アプリを作るなどいたちごっこが続いているそう。
今後Instagramのショッピング機能がより強化されていったら、越境ECの分野にも影響が出そうなテーマです。

D2Cブランド時代の新たな銀行モデル

D2Cブランドの増加に合わせて、D2Cをはじめとするデジタルブランドやサービスへの貸付を行う銀行「Clearbanc」は、今後個人のブランド立ち上げが容易になる中で増えていきそうなモデル。VCからの調達は急激な成長が求められるというデメリットがありますが、ブランドビジネスは必ずしも急成長するモデルではなく、資金用途によっては借り入れの方がマッチしている例も多いはず。
またClearbancはVCのように積極的に起業家コミュニティを育成しており、調達前の小規模な事業者同士をつなげる役目も担っているもよう。
こうして周辺領域が盛り上がってきたことからも、D2Cビジネスが一分野として成熟し始めてきていることを感じます。

ファッションレンタル「The Rotation」がストリートウェア市場をディスラプトする

男性向けストリートウェアのレンタルサービス「The Rotation」の創業者が語るレンタル市場の未来について。レンタルサービスが広がる理由について、①自分に合うものを探す手間がかからない②購入へのプレッシャーがないの2つをあげています。Stich Fixをはじめとするパーソラナイズサービスは①を解決しているものの、②を解決できておらず、レンタルによって②も解消できるというのが彼の主張です。
また1着あたり10回以上使われるという数字も注目すべき部分。商品によって摩耗スピードが異なるので一概には言えないと思いますが、レンタル価格はこの回数を目安に設定されていると考えると、レンタルが適しているアイテムと購入してしまった方が結果的に安いものとの違いがわかるように思います。
男性のファッションレンタルサービスは伸びないと言われますが、ストリートウェアの分野に絞ることで成長しているところもまた面白いポイントだなとおもいます。

不景気を生き抜くファッションビジネス

来年あたりにリーマンショック並みの不景気がくると言われていますが、2009年の傾向を見るとラグジュアリーブランドは意外と回復が早く、むしろ高価格帯と程価格帯の格差が大きくなることによって中間価格帯がもっとも大きな影響を受けるというのは感覚的にも納得。
また景気が悪くなるとブランド品を売る人も増えるので、リセールビジネスにとっては新規顧客獲得のきっかけになりやすいという話も、今ならレンタルサービスも同じことが言えるのではないかと思ったりします。

今週は気づけばレンタルネタをたくさんピックした週でした。

個人的に一番可能性を感じたのは、

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