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超個人的ドラマ大賞2024
2024年ももうすぐ終わり!ということで、今年見たドラマの中で、これがよかった!という個人的な大賞をクールごとにまとめておきたいと思います。
ちなみにリストアップしてみて気づいたんですが、私ほぼTBSドラマしか見てないし火曜22時枠が好きすぎるな???(リストには入れてないけど4月期のめるるのドラマもTBSの火22枠だった)
1月期:Eye Love You
今年初っ端からテンション上がったのが「Eye Love You」!!!韓国ドラマと日本ドラマのいいとこどりなつくりで、安心してキュンキュンできる王道ラブストーリーにどハマりしました。
二階堂ふみ様がこういうザ・ラブストーリーに出るのは珍しいと思うのですが、コミカルな演技もキュンが溢れるシーンもさすがのうまさで、きゅるきゅるかわいいヒロイン像にしっかりハマっていて、これまでのイメージとはまた違う演技に改めて二階堂ふみ様の凄さを感じました。
私は韓国ドラマは数えるほどしか観たことないのですが、韓国ドラマあるあるのキュンシーンを日本ドラマ風に解釈したのも面白かったし、韓ドラは一作品がだいぶ長いので脱落しがちなのですが日本ドラマは10話くらいで終わるので飽きずに観られたのもよかった。
あと、韓ドラだと御曹司に庶民女子が見初められるパターンが多いと思うのですが、Eye Love Youはヒロインの侑里が会社の社長で、テオくんはインターンという立場だったので、こういう設定もわりと日本ならではだったんじゃないかなーと。韓ドラだと女性社長や財閥令嬢の立場の女性はヒロインを邪魔する役で出てくることの方が多い気がするので。私が知らないだけかもしれないけど。
侑里が人の心が聞こえるテレパスの能力を持っているというファンタジー設定も、テオくんの心の声は韓国語だから侑里が理解できず、初めて気持ちが読めない人に会った、という流れにナチュラルにハマっていて、話の筋全体にひっかかりなく楽しめました。
あと、当て馬大好きっ子倶楽部の私としては回を重ねるごとにバリバリの当て馬として頭角を表していった(?)花岡への応援の気持ちが高まり、最終的にこのドラマのMVPは花岡なのでは???という気持ちに。
終盤のハッピーエンド後日談のターンで侑里テオとか小野田まひろカップルがキャッキャしてるなか、粛々と仕事してミンハナさんの彼氏さんの死因を調べてミンハナさんの呪いまで解いてあげてた花岡、お前が優勝だよ絶対に幸せになれよ!!!!!
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) March 26, 2024
#eyeloveyou
当て馬史上の中でもトップクラスにいいやつ&有能だった花岡の未来に幸多からんことを…!!!と思った最終回でした。1〜3月の冬が一番深まっている時期に、明るく元気をくれるドラマでした。
4月期:アンメット
今年一番、いやこの5年くらいの間で一番だったかもしれないくらい素晴らしかったドラマ。あまりによすぎて、これを無料で観せてもらっているのはどうなんだと思い始め、放送終了後に人生で初めてDVDボックスを買いました。今のところはNetflixでも観られるけど、これから先何年も、何十年先も折にふれて観たくなるドラマだと思うので。
映画好きなら誰もが知っている名優・若葉竜也が地上波連ドラに出るということで見始めたのですが、杉咲花ちゃんとの化学反応があまりによすぎて…!映画「市子」で共演した時は二人のシーンは一瞬だったので、今回このアンメットで二人の掛け合いをじっくり見ることができて、個の演技力の高さはもちろんのこと、相性のいい二人が組むとこんなにも相乗効果を生むものなのだなと衝撃を受けました。
いいドラマや映画は観終わった後も役の人物たちがこの世界のどこかに生き続けているような余韻が残るものですが、アンメットはまさに全員がその役を生きていたからこそ、今日もみんな丘陵セントラル病院で働いているんじゃないか、といまだに思わせる力があって。ミヤビちゃんも三瓶先生も、きっと今日という日を精一杯生きて、明日への希望を持って命と向き合っている。だから私も明日につながる今日を懸命に生きよう、と思うのです。
最終回を見終わって、私はこのドラマのテーマは下記の3つに集約されるのではないか、と書きました。
自分の中に光があれば影は消えること、
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) June 24, 2024
強い感情は心が覚えていること、
私の今日は明日につながること。
言葉にするとシンプルなテーマでありメッセージなのだけど、これらが550分の物語の中で紡がれることで心の深いところにまで届く、愛と希望のつまったドラマだった。最高です。
#アンメット
記憶が一日しかもたない記憶障害を持つミヤビちゃんは、「私には今日しかない」と自分を納得させることで、日々を懸命に生きてきた。けれど、三平先生が現れて、「明日につながる今日」を生きる希望を見出していく。そして、記憶障害がその人のすべてを奪うわけではなく、脳は忘れてしまっても心が覚えていることもある、という希望も与えられる。
でもその希望の発端は、実は昔ミヤビちゃんが三瓶先生の心に灯した光から始まっていて、時を超えてお互いを照らしあってきた壮大な「愛」の物語だったのでした。
私は恋愛ドラマが大好きなのですが、アンメットはキュンとか恋とかでは語れない、もっと大きな愛の物語で、だから、「恋じゃなくて愛がしたくなるドラマだ」と思いました。
飽きもせず #アンメット 9話を繰り返し見ているのだけど、これはあれだな、「恋」じゃなくて「愛」をしたくなるドラマだな.
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) June 12, 2024
物語全体が愛に満ちているのはもちろん、若葉竜也と花ちゃんの演技の相性の良さというか「ソウルメイト感」が本当にすごくて、死ぬまでにこういう仕事ができたら幸せだなと思う
若葉竜也と杉咲花という組み合わせの素晴らしさ、二人の演技の迫力は言わずもがなですが、二人の演技に全幅の信頼を寄せているからこそできたのであろう演出も素晴らしく、スタッフさんたちの熱意を感じるドラマでもありました。
こういう素晴らしいドラマに出会うと、続編への期待や同じチームの再結成を望んでしまいがちだけれど、アンメットは作品としての完成度があまりに高いがゆえに、この現場を経てそれぞれが別の場所に光を灯していくことが楽しみになったドラマでした。
「アンメット」でこれだけの愛とやりがいある現場を経験した人たちが、これからまた別の現場に関わっていって、そこでそれぞれに光を灯していくんだなあ、と思うと今後のドラマ界も楽しみになった。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) June 24, 2024
そんな希望も抱かせるくらい作品ごと未来に開かれている、そういうドラマだった。#アンメット
人生は時に、先が見えなくて目の前のことでいっぱいいっぱいになってしまうこともある。でも、今日の私はちゃんと明日の私に続いていて、思い出が薄れていったとしても大切な感情は必ず心に残っていて、それこそが希望の光であること。
きっと私はこれからまた何か壁にぶつかるたび、希望を忘れそうになるたび、このドラマを、ミヤビちゃんと三瓶先生を思い出して、明日に続けていくための元気をもらうのだと思います。
私の人生においてとても大切な存在になったドラマをつくってくださったみなさまに、改めて感謝を。
7月期:西園寺さんは家事をしない
気楽に観られるラブコメドラマだと思っていたら、キュンとか恋とかを通り越して「家族愛」になっていって想像以上にどハマりしてしまった作品。松本若菜さん演じる西園寺さんがいつも明るくて前向きで、毎週観るたびに元気が出るドラマでした。
楠見くんの
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) September 17, 2024
「ただ好きな人と安心して、食べて眠って、安心して暮らしたい」
とか
「ずっとこの人の味方でいたいなあとか、そういう好き」
っていうセリフもとてもよかった…
恋!とかときめき!とかを越えた「家族愛」って感じで😭
#西園寺さんは家事をしない
西園寺さんの設定としてはアラフォーならではの迷いや悩み、家族のトラウマも抱えていたキャラクターだったけど、コミカルな演技が上手な松本若菜さんが演じたことで、竹を割ったようなさっぱりした明るさがプラスされていたのがすごくよかったなと。ともすると暗くなったりうじうじするシーンになったりしそうなところを、すべて明るさと素直さで吹き飛ばすパワーがあったというか。原作を読んでいないので本来の西園寺さんのキャラクター設定はあまりわからないのですが、ドラマの西園寺さんは新しいラブコメヒロイン像を提示した感じがありました。報連相めっちゃできるし前向きに全部解決していくしすごい。
シングルファーザーと同居する物語なので、子役の倉田瑛茉ちゃん含めた3人で過ごすシーンはホームドラマの雰囲気もあって、犬のリキもお利口さんでかわいくて、幸せを絵に描いたような暮らしぶりも眼福でした。ラブコメというよりホームコメディっぽさ強めで、ラブコメにありがちなやきもきする展開もあまりなくて、毎回幸せな気持ちで観られるというか。
でも根底にある「家族ってなんだろう」というテーマはしっかりと描かれていて、西園寺さんが家族や家事のトラウマを乗り越え、楠見くんが少しずつ人に頼れるようになっていく過程はひとつひとつ感動したし、最終回のお母さんとのシーンは2024夏ドラマの中でも屈指の名シーンだったのではと思うくらいすごかった。笑えるところと泣けるところの緩急の付け方がうまくて、出てくる人たちみんないい人で優しくて、最終的にみんなが幸せになる大団円、という安心して観られるいいドラマでした。
あと、「Eye Love You」のところでも書いた通り当て馬好きとしては、このドラマもぐるぐるさんことカズト横井という当て馬が素晴らしくて泣きました。今年の当て馬はもう全員私が引き取って幸せにします!!!!!!
西園寺さんにとって家族としての楠見くんとルカちゃんが大事な存在だと理解して、行動を束縛するんじゃなくて「これからも西園寺さんの人生に楠見くんがいる前提で10:0の横井になります!」なカズト横井、大人だしいい人で大好きすぎる…幸せになってくれ、、、😭😭
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) September 3, 2024
#西園寺さんは家事をしない
最終回のラストが続きを期待させる終わり方だったので、ぜひ2時間スペシャルか続編を期待!次やるとしたらルカちゃん小学校入学編とかになるのかなあ。楽しみ。
10月期①:海に眠るダイヤモンド
もうとにかくどこを切り取っても全員演技がうまくて、セットや衣装も素敵で、完成度も満足度も高かったドラマ。特に主演の神木くんとヒロインの杉咲花ちゃんのシーンは、演技力が高い二人の化学反応が素晴らしく、告白のシーンはドラマ史に残るレベルなのではと思いました。
鉄平が朝子を呼ぶ声がどんどん甘く優しくなっていく変化が本当にうまいし、コスモスのくだりの2人のピュア照れな演技のかけ合いはさすが演技巧者同士の間だ…!とたいへん感心してしまった
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) December 1, 2024
これだけのキャストを集めてくれて本当にありがとう神よ……!
#海に眠るダイヤモンド
あと個人的にずっと大好きだった土屋太鳳ちゃんが、従来のイメージのような健気なヒロインではなく、高飛車なお嬢様の役を上手に演じ切ったことで彼女の演技のうまさ、役者としての幅広さが一般に認知されたのも嬉しかったです。本人のキャラクターはザ・朝ドラヒロインという感じなのだけど、「累」のニナ役みたいな毒や裏がある役が意外とハマると思っていたので、これまでのイメージとはまた違ったキャラクターでハマり役として評価されたのがファンとしても嬉しいかぎり。
そしてメインキャスト陣の演技のうまさは言わずもがな、それぞれの家族や一瞬しか出なかった人まで全員演技力が高い役者さんで固められていたので、どの瞬間も見応えがあって、端島の暮らしに引き込まれていく力強さのある作品でした。
ここまで隅々にいたるまで演技がうまい人だけで固めた贅沢なドラマはなかなかないと思うので、ドラマ好きは全員ぜひ観てほしい。特に神木くんの過去と現在の演じ分けは毎回感動するレベルで、演技がうまい人は動いたり話したりしなくても佇まいだけで別のキャラクターに見せることができるんだなあと。神木くんの出演作にハズレなし伝説がまたひとつ増えてしまった…!
人がいなくなった地で草花は勝手に育ち、そこで育まれた命は何千年もかけてダイヤモンドになっていく。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) December 22, 2024
人生は思い通りにはならないけれど思い出は時間をかけてダイヤモンドのような美しい結晶になっていく。
希望溢れるよいドラマでございました
#海に眠るダイヤモンド
10月期②:ライオンの隠れ家
10月期ドラマはどちらか一本に絞れず、個人的に同率一位だったのがこの「ライオンの隠れ家」。これもメインキャスト陣の演技がすごかった…!
みっくんを演じた坂東龍太くんの演技はあちこちで語られていたけど、お兄ちゃんを演じた柳楽優弥の「普通の人っぽさ」の出し方もうまくてびっくり。改めて柳楽優弥作品が見たくなって「ゆとりですが何か」も同時並行で観ていたので、その振り幅に改めて感動しました。柳楽優弥は演技がうますぎて、演技がうまいことに気づかないくらいその役に馴染んじゃうのがすごい。
序盤はサスペンス色も強い感じだったけど、ライオンこと愁人がみっくんとお兄ちゃんにだんだん懐いていって、家族としての絆が生まれていく過程が素晴らしかったし、ずっと観ていたくなる雰囲気でした。
お兄ちゃんが、みっくんに対して「弟のためと言いながら、自分の都合に合わせさせるために可能性を狭めていたのかもしれない」と反省するところ、そして実際にみっくんがライオンとの暮らしによってどんどん変化していって、新しい一面が開花する流れは、本当の意味で人のことを想う、信頼するとは何かが描かれていて、とてもいいドラマでした。
家族というプライド(ライオンの群れ)は、誰かが誰かを一方的に守るものではなく、支えているように見えて支えられていたり、自然と助け合っていたり、そうやって信頼を積み重ねていくものなんだよな、と。
「安全なプライドがあるからこそ安心して旅立って行ける」というメッセージ性、すごくよかったな。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) December 20, 2024
みんなでわちゃわちゃ楽しく暮らしていってほしい気持ちもあったけど、未来のために一度離れることもできる、というのが本当の信頼だなって。
#ライオンの隠れ家
「ライオンの隠れ家」ではみっくんを取り巻く人たちがみんな優しくて、いい人たちに囲まれていて、お兄ちゃんの洸人もみっくんを大事にしていて。でも同僚の小野寺さんがふと漏らした弟との関係の方がきっとリアルで、みっくんの恵まれた環境はフィクションだからこそなのかもしれない。
洸人はみっくんにとってずっと「優しいお兄ちゃん」で、ずっとこうして一緒に暮らしていくことに疑問を抱いていない幸せな家庭だけど、小野寺さんの「僕の弟は僕のことが疎ましいです」という話はリアルで胸にくる…
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) December 13, 2024
#ライオンの隠れ家
でも、ドラマの中だけでも悪い人が出てこない優しい世界が描かれていることで、自分も優しい世界の一員として現実の世界でも生きていきたい、と思える、そういう価値があるんじゃないか、とこのドラマを見て改めて思いました。
現実はこんなに優しさだけの世界ではないかもしれないし、難しい問題もたくさんあるけれど、こういう嫌な人が誰も出てこない暖かな世界の物語に癒されて、自分も明日からこういう優しさを与えられる人になろうって思う、そういう価値がある気がしている
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) December 20, 2024
難しい問題を扱ったドラマだし、ヘビーな設定も多かったけれど、最後は優しく温かな物語だったという思いで終わったのは、メインキャスト3人とその周りの人たちが醸し出す優しい空気ゆえだったんじゃないかなと思います。
こうやって改めて振り返ってみると、私はいろんな方向から「愛」を描いた作品が好きなんだなあと。さらにその中でも西園寺さんやライオンの隠れ家のように従来の家族像を拡張するような作品がより強く心に残りやすいのかもしれない、と思うなど。
2025年もまた、素晴らしい作品たちとの出会いがありますように!
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