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今週読んだ海外記事と雑感(2019.9.28)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

Instagramが「リアル」な写真を優遇するアルゴリズムに変更?

Instagramが「無加工」の写真を優遇するアルゴリズムに変更しはじめているのでは?という話。最近若者を中心にあえて飾らない日常をアップするかたちの「authencity」がひとつのトレンドになりつつありますが、今後ソーシャルコマースプラットフォームを目指す中で過剰な加工は足かせになるという判断なのでしょう。
公式のコメントは出ていませんが、アルゴリズムを抜きにしても加工レスな写真が人気になりつつあることはたしかだと思います。

「テクノロジーなしに小売はワークしない」Rutiが店舗で顔認識技術を活用した接客を開始

顔認証技術を活用して、再来店した顧客データを瞬時に販売員に共有し接客に生かす仕組みを作ったRuti。私自身、販売の現場にいた頃顧客の細かい好みや購買データが販売員個人の記憶力に依存していることに大きな問題を感じてきたので、テクノロジーによってより人間的でホスピタリティあふれる接客をできるようになるのは素晴らしいことだと思います。
また店舗だけではなく希望する顧客はECの購買データと結びつけたり、SNSの投稿から好みを把握してパーソナライズ精度を上げるといったこともできれば店舗体験がさらに大きく変わりそう。
無人店舗よりも「店舗コミュニケーションを円滑にする」という方向こそがリテールテック市場を大きくするのではないかも思います。

「スーパーフード」が化粧品に与える影響

化粧品のナチュラル志向が強まる中で、ヘルシーなイメージを強調するために食品の成分を使うのがトレンドになっているのは日本でも同じな気がします。しかし実際には成分はほんの少ししか入っていないことも多く、「マーケティングとしての原材料」という表現は言い得て妙。
またこの記事では触れられていませんでしたが、原材料としての食品利用は環境問題や食糧問題につながらないのか、という懸念もあるような気がするのでそちらの視点からも気になるテーマです。

「世界の工場」から「世界のデザインファーム」へと変貌を遂げる中国の今

ひと昔前は「世界の工場」と言われた中国ですが、なんとコレクションに出ているブランドの1/3が中国人デザイナーという数字には驚き。インドも同じくですが、人口が多い分ファッション分野の方も盛り上がり、デザイン大国になりつつあるもよう。
メゾンブランドのデザイナーもこれからどんどんアジア人デザイナーが活躍する時代なのだろうなと思います。

ポップアップ型の食料品店「Pop Up Grocer」

ポップアップ型の食料品店「Pop Up Grocer」の考え方はまさに「メディア」的。10日間を1タームとして様々なまちに出店し、オンラインでの購入を促すことで人口の少ないまちでも継続的に買ってもらえる可能性が高まり、採算をとりやすいという考え方のようです。
食品は賞味期限や冷蔵/冷凍などの管理の問題からEC購入のハードルが高い分野ですが、だからこそWeb上の施策よりもこうした地上戦が一番効果の高いマーケティングなのではないかと思います。

有料コミュニティをつくるための6つのポイント

最近ブランドも有料コミュニティを作るようになってきたことを受け、「お金を払う価値のあるコミュニティを作るための6つのポイント」についての解説記事。アドバイスがとても具体的でわかりやすかったのでざっくり訳してみました。
①参加してくれる潜在層を最低50人は持つ
②サイト上のメッセージを手厚くする
③参加者を早い段階で深く巻き込む
④コミュニティに派閥を作らない
⑤オフラインの関係づくりを支援する
⑥売上とコミットのバランスをとる

あと個人的にはそもそも「それがコミュニティである必要はあるか」を考えることも重要だと思っていて、有料コンテンツの配信を「会員コミュニティ」と呼んでいる人/企業も多いような気が。
⑥のアドバイスにでてくるように、参加者のリアルな声を受け取ること、その上で商品やサービスの改善に活かしたり、逆に何かをおすすめしたりといったコミュニケーションをどれだけ作れるかがブランドの有料コミュニティの肝になるのではないかと思っています。

DNA情報から最適なサプリを提供する次世代型ウェルネスブランドが誕生

DNAの解析結果をもとに最適なサプリを提供するサービスが誕生。アメリカでは質問に答えて最適なサプリをパーソナライズするサービスはいくつか出てきていますが、DNAや血液検査の結果を使うというのはかなり攻めているなと…!サプリならギリギリ投薬の範囲にならないからセーフなのだろうか。
ヘルスケアを含むウェルネス産業はこれからの成長分野として注目されている業界でもあり、Best BuyやWalmartも参入し始めています。
https://www.modernretail.co/retailers/healthcare-is-shaping-up-to-be-the-next-battleground-in-retail/
ここに遺伝子解析などのサイエンステクノロジーが絡んでいくと、たとえば「遺伝子データに基づいておすすめする基礎化粧品」とか「10年後の自分の老化をシミュレーションした上でそのときも使える高級品を買う」みたいなことができそうだなと思いつつ、倫理的な問題も絡む話なのでテクノロジー的に「できる」からといって実現すべきかはまた別の話だなと。
ともあれ、こうした遺伝子解析やゲノムといった一見ファッションからは縁遠そうなテーマも、今後「モノを売る」という行為に密接に関わってくるだろうなという気がしています。

ファッションレンタルにおける「借り放題」モデルの難しさ

レンタルサービスの期待のユニコーン・Rent the Runwayが、先週「商品が届かない」という顧客のSNS投稿で炎上し流通責任者が辞任した一連の騒動を受け、改めてレンタルサービスにおけるサプライチェーン構築の難しさを解説した記事。
↓一連の騒動についてはこちら。
https://www.businessoffashion.com/articles/news-bites/rent-the-runway-marv-cunningham-supply-chain
特にRTRは制限なく借りられるプランだったこと、さらにアメリカという広い国土のマーケットを対象にしていたことで申込者に対してサービス提供が追いつかずパンクした、というのが大きな原因と言われています。
レンタルはECと異なり「行って戻って」というモデルの分、流通設計が複雑になりやすく、ここまでの規模で展開するレンタルサービスは他にないことからも、サービス拡大とユーザーへの価値提供のバランスという意味で大きな教訓となる事例だと思います。

今週は「テクノロジーと小売の未来」について考えさせられた週でした。

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