444.冷蔵庫のロボ子ちゃん
noteは今、冷蔵庫でいっぱいだ。みなさんご存じのこの企画。
それを見て、私には書けないなと思っていた。そんなときに読んだのが、ゼロさんの小説。
この小説、「冷蔵庫が話す」というので思い出したのが、ロボ子ちゃんだった。
いや、冷蔵庫が話すというのは、他の人も書いているので、何だろうと思っていたら、紫色に反応したのかもしれないと思い至った。子どものときから、一番好きな色が紫だったから。
で、ロボ子ちゃんのお話。
冷蔵庫というのは別世界だ。日常空間から切り離された世界、それが冷蔵庫だと思えてならない。
大学時代、ひとり暮らしを始めたとき、まず買ったのが冷蔵庫だった。なぜって、チョコレートを冷やすため。
小さな冷蔵庫には、必ずチョコが鎮座していた。友達からは「チョコのために冷蔵庫を買ったヤツ」とネタにされた。
その小さな冷蔵庫には、やがてチョコだけでなく、コーラやフルーチェが入れられた。コーラはウィスキーのコーラ割り、フルーチェは苦手な牛乳を飲もうとしたのだったが、相変わらず寂しい冷蔵庫だった。
冷蔵庫が寂しいというのは、この大学時代に培われた印象なのかもしれない。冷蔵庫を開けるたびに、私の中には寂しい思いが去来する。
冷蔵庫は寂しい・・・
そんなとき見つけたのがロボ子ちゃんだった。ロボ子ちゃんというのは、スター・ウォーズのR2-D2。冷蔵庫を開けると、しゃべるロボットだ。
その声は、実際のR2-D2の声そのままの電子音で、いつも私を励ましてくれた。
ピロピロと話す声がホント可愛い!開けっ放しにすると、ウィィィィ~ん!と言って叱ってくれた。
冷蔵庫が楽しい!
私の中で、いつの間にか冷蔵庫の印象が変化していた。ロボ子ちゃんのお蔭で、冷蔵庫が変身を遂げていた。
でも、いつだったか。ロボ子ちゃんがしゃべらなくなった。電池がなくなったからかと思って、電池を入れ替えてもしゃべらない。
また、冷蔵庫が寂しくなってしまった。
機械に詳しい友達にロボ子ちゃんを見てもらった。
「電池の左右を入れ替えたら話しましたよ」
そんな簡単なことなの?・・・と思って、電池を入れ替えたら、確かにピロピロとロボ子ちゃんが話し始めた。
しかし、すぐに話してくれなくなった。いろいろと手を尽くしたけど、ウンともスンとも言ってくれなかった。
今でも冷蔵庫にロボ子ちゃんがいる。ロボ子ちゃんは鎮座している。無言のままで・・・
冷蔵庫は寂しい、寂しくなってしまった。
もう会えないの、二度と会えないの~♪
私の頭の中には、さなえちゃんが鳴り響いていた。
冷蔵庫 ロボ子ちゃんが 明るく照らす
寂しさは 声なき姿 もう会えないの
🦀 🦀 🦀