423.【WACK峮峮スピンオフ＃15】峮峮（チュンチュン）暴食の悪魔ベルゼブブと対決！
大家好。WACK峮峮スピンオフの15回目、第２部の２回目は、暴食の悪魔ベルゼブブとの対決です。これは「WACK峮峮スピンオフ＃14」の続きです。「WACK峮峮スピンオフ＃14」は次のリンクをご覧ください。
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街の外れにある屠殺場は、厳めしいコンクリートで覆われていた。空き地の中に建てられたそれには、一筋の道路が通じており、錆びついた鉄製の門が闖入者を厳しく取り締まっていた。
しかし、そこで生臭いことが行われているのは隠しきれない。血なまぐさい臭いが風下の空き地に漂い、その雑草は血の臭いに揺れている。人間の性とは言え、家畜の殺生が行われている事実は否定できないのだ。
雑草が生い茂った空き地に、峮峮（チュンチュン）は やって来た。
「いる……」
気配を感じて、目を凝らしていると、一頭のブタが現れた。屠殺場から逃げてきたのかと一瞬思わせるが、そのブタは濁った黄色い肌をしており、明らかに普通のブタではなかった。
峮峮は軽く身構えて言った。
「お前か。この屠殺場に巣くっているのは」
ブタはうやうやしく頭を垂れて言った。
「ようこそ、峮峮。このベルゼブブ、まずはあなたを饗応しなければなりませんな」
そうしてブタは、空間から肉料理を取り出した。香ばしい匂いが峮峮の鼻をくすぐる。焼肉、ステーキ、ハンバーガー、唐揚げ、フライドチキン、北京ダック、油淋鶏、トンカツ、馬刺し、ジンギスカン……
「美味しそう……」
思わずそう言ってしまった峮峮、威儀を正して、毅然と言い放った。
「こんなのには騙されない！お前のせいで、お前のせいで、私はお腹に肉が付き、ダイエットで苦しむんだ！」
ベルゼブブは大笑いして言った。
「お腹の贅肉、気にしておるんだな🤣」
「何がおかしい！ 私のデブがそんなに楽しいか！」
「まさに、デブ峮のあだ名どおりだな🤣」
「暴食のベルゼブブ、お前の手には乗らない！」
「その意気込みどおりになるかな。この料理を食え！食え！食ってしまえ！」
ベルゼブブの食い物攻撃が始まった。ブタの鼻から、手から、背中から肉料理が飛んでくる。魯肉飯（ルーローファン）、生姜焼き、チャーシュー、ベーコン、ソーセージ、餃子、小籠包、肉まん、ラフテー……まさに肉テロ。
峮峮はダイエットサプリ「打卡錠EX」を放って対抗する。しかし全部を撃退できない。肉料理はダイエットサプリをものともせず、峮峮に襲いかかる。
峮峮は指輪をかざし結界を張った。肉料理を結界で防ぐと、左手のバングルから聖剣を取り出した。その大きさは爪楊枝ほど。
「伸びろ！」
その言葉と共に、聖剣は120cmほどの長さになった。峮峮は一気にブタに突進し、聖剣一閃！ブタの頭を切り落とした。
転がったブタの首を蹴飛ばし、ブタの胴体を見ていると、切り落とされた胴体の傷跡から何かが黒く蠢いた。そこから飛び出したのは、三つの頭を持つ猛犬。
「ケルベロス！まずお前を処断する！」
峮峮は炸裂ダンスの構え。聖剣を持った右手を横に、左手でパンチポーズを取ると、左右のバングルが反応して、プラズマを発生させた。
「炸裂……変身！」
一瞬のうちに峮峮は光チュンチュンに変身！襲いかかるケルベロスに聖剣を浴びせた。ケルベロスもその攻撃は想定内という感じでかわし、何度も向きを変え、速さを変え、峮峮に襲いかかる。しかし峮峮、そんなケルベロスをものともせず、聖剣で傷つけていく。
ザクッ……
ついにケルベロスの首が落ちた。三つの首が胴体から落ちて断末魔の叫びを上げる。しかし、峮峮は油断しなかった。首が落ちたケルベロスの胴体を見ていると、蠢いている影が見える。
そして飛び出してきたのは、巨大な蠅だった。
「ようやく正体を現したな、ベルゼブブ。蠅の王よ、だがこれまで」
襲いかかるベルゼブブ。それに対して、峮峮は聖剣を振り上げた。
炸裂！チュンチュン剣～！
聖剣を振り下ろすと、聖剣から透き通った赤い光が放たれる。そのまぶしい赤い光に打たれて、ベルゼブブはおぞましい叫び声を上げた。突如起こったつむじ風がベルゼブブを巻き込み、叫び声を残してベルゼブブは消滅した。
空き地は静寂を取り戻した。戦いの名残を閉ざしながらも、屠殺場は異様な姿を曝していた。峮峮はゆっくりと変身を解除して言った。
「これで１人……」
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第２部は、まず暴食の悪魔ベルゼブブとの戦いでした。変身アイテムのバングルや、結界を張る指輪が突然登場しますが、それは第１部の中で経緯が書かれます。その経緯をすっ飛ばして、第２部に入っているので、説明がなくて不親切になっていますがご了承ください。
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今までのWACK峮峮スピンオフは次のマガジンからどうぞ。
峮峮スピンオフは、のろのろと続きます。。
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