富山マラソン2024完走記#終盤戦(残り5キロ地点~フィニッシュ~翌日)
富山マラソンのレポートも,いよいよ完結編になりました。
残る目標は,あと1つだけ。フィニッシュ・ゲートです。
※いつもより長いので,マラソンにしか興味がない方は「フィニッシュ後」と「大会翌日」は,すっ飛ばして読んでください。
フィニッシュ:予想タイム4時間35分
残り5キロ地点は、予想タイムの1分前にクリア。
しかし,ここからガクンとくる。やはり,あの「壁」は私を待っていた。
いつも練習でやっているビルドアップ走の最後の5キロではないかと自分に言い聞かせるが,そう簡単に身体は騙されてくれない。脚が上がらない。
しかも,この期に及んで細かなアップダウンがあり,心を砕かれる。
橋の上から手を振ってくれている応援に,もはや応える余裕がない。
ペースも,ちらちらと7分台が見え隠れする。
さっきまではランナーを抜かす方だったのに,今ではロング・スパートするランナーたちに,どんどん追い抜かれていく。単純に悔しい・・というか,うらやましい。
こうして負けが込んでくると,「一体何のために,こんな苦しい思いをして走っているのか」という疑問が浮かんでは消えるようになる。
答えなんかない。理由なんてない。きっと,何かに一所懸命だった頃の自分に再会したいんだろう。
「残り2キロ」の表示に到着。タイムは,4時間23分くらい。
4時間35分でゴールするには,ここからキロ6分で走る必要がある。
予想タイムの達成がもはや無理だとわかり,ついに足が止まってしまう。
それでも,あとたった2キロ。
大きくなった応援の声に応えて,歩き走りしながら粘る。
41キロの表示が目に入った瞬間,思わず目頭が熱くなる。
42キロの表示の手前,フィニッシュのゲートが見えた。
もう残っていないはずの力を振り絞って,ゲートに向かって駆け出す。
フィニッシュタイムは,4時間37分(36分台後半)。
予定より2分遅れたけど,前回大会より6分以上の更新。よく頑張った。
フルマラソン男子の平均タイムは,4時間36分49秒だそうだ。
今回のフィニッシュタイムは,ちょうどこのあたり。タイム向上が望めなくなる50代ランナーの中では,間違いなく平均以上の走りができたはず。
何より,ほぼ計画通りに走れた初めてのレースだ。胸を張りたいと思う。
フィニッシュ後
タオルとメダルと,超ミニます寿司を受け取る。
靴下を脱ぐと,左の親指の爪が痛んでいることに気づく。
私は左の親指だけちょっと大きいのか,よくこの爪が黒くなる。
走っている途中は気付かなかった。大事にならないことを祈りたい。
会場を出ると,近くの酒屋が平常販売価格でビールを振る舞っていたので,便乗してしばし休憩。
駅前まで戻って,海の幸の続き。
昨日10%OFFクーポンをもらったので,またきときと寿司へ行って,今度は海鮮丼を注文した。大好きなサーモンの味を知りたかったが,普通だった。学生時代のリベンジは,もう十分かな。
一人反省会@富山で,ランニングエコノミーに目覚める
ホテルに戻って,大浴場(銭湯)に入り,交代浴などをする。
その後は,部屋でビールを飲みながら,ガーミンの記録とにらめっこ。
さてここで,ガーミンが描いた軌跡を大公開しちゃいます。
左(西)の一番上がスタート地点の高岡市内。右(東)がフィニッシュ地点の富山駅近くです。色は,走ったペースと対応しています。
ほぼ中央で,小さいカタツムリみたいにとぐろを巻いているところが,新湊大橋の登りの始まりです。オレンジに変わるあたりが橋の頂点で,そこから下りが始まっています。
折り返して「T」の字になったところを南に下り,「レ」の字の最後あたりが30キロ地点で,ここまではペースを保てています。
その後,徐々にペースが落ちてきて,「コ」の字の下あたりが,残り5キロ(37.2キロ)の地点です。ここを過ぎてからは,失速が始まっていますね(でも,歩いてないよ。青くなっているところは,たぶんエイド)。
こうやってみると,今回直面した「壁」は,設定ペースが維持できなくなるもののまだ走れている第1の壁(30キロ地点)と,失速が始まる第2の壁(37.2キロ地点)の2段階式だったことがわかります。両方とも到着タイムを設定した地点なので,そこまで粘った結果だともいえるでしょう。
前回大会との比較をまとめました(カッコ内は,前回大会の通過タイム)
何よりもびっくりしたのは,これだけの遅いペース(ハーフ通過は,自己ワーストに近い)で走ったにも拘らず,前回より6分以上も早くフィニッシュできたという事実です。これは間違いなく,レースプランの成果です。
前半を抑えるというのがフルマラソンを走るセオリーだということは,頭ではわかっていたものの,キロ6分10秒にまで設定ペースを落とす勇気はありませんでした。今回は身をもって体感し,結果として前回タイムも上回り,これがフルの走り方なのだと納得できました。まずはこれが大収穫です。
もうひとつ驚いたのは,走った後のダメージが思ったより酷くないこと。
ペースを抑えたので,余計な筋肉を使わなかったのかもしれません。もちろん,階段を下りるときは大変でしたが,週内には練習を再開できそうです。
ランニングエコノミーというものが何かを,垣間見れた気がします。
とにかく,今回の大会は発見の連続でした。
大会翌日
大会翌日は,チェックアウト時間まで,またーりと部屋で過ごしました。
①カフェイン解禁
我慢していた朝のコーヒーの解禁です。
②黒ラーメン
昼は,富山名物?の黒ラーメンへ。
一口めは美味しかったけど,徐々に醤油の濃さに口直しが欲しくなる。
レンゲがない理由がわかりました(スープは濃すぎて飲めない)。
③瑞龍寺
そのまま高岡へ行き,帰りはそこからの高速バスを予約していました。
高岡大仏は以前に行ったことがあったし,大会当日もコースでちらとお見かけしたので,今回は駅の反対側の瑞龍寺へ寄りました。
④帰路
無事,高速バスに乗車。
途中,渋滞にはまり1時間ほど遅れて到着。この旅を終えました。
今後の抱負
今回の大会はシーズン初戦とはいえ,それなりに長距離は踏んだし,エネルギー対策も含め,準備は万全で臨めた大会だったように思います。
それでも,37キロ以降で失速したということは,私の設定ペースは6分10秒でも早いのかもしれません。次回はあと10秒落とした実験をしてみようかと考えています。実験したくなるのは,研究者の性かもしれません。
次のレースは,12月15日に開催されるみえ松阪マラソンです。
毎年出ているお気に入りの大会ですが,コースが厳しいので,今回のタイムは出せません(断言するか?)。もともと練習試合,あるいは富山マラソンをDNSした場合の保険として位置づけていました。
とはいえ今回,親指の爪以外は大きな故障がなかったので,インソールを見直すなどして,コンディションさえ整えば出場したいと考えています。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。
また練習の様子をアップしていきます。
ランナーのみなさん,シーズンを存分に楽しみましょう!