『選挙に出てみたくなる出馬超入門』の編集後記を公開!
2022年8月31日に発売された書籍『選挙に出てみたくなる出馬超入門』(著:佐藤 孝四朗)の担当編集者による「編集後記」を公開いたします!
編集後記
本書は、三バンを持たず政治の世界とは無縁、と思っている普通の人が、「政治家になってみるか」と思い立つための本だ。既に選挙に出ることを決めている人が読む選挙マニュアル本ではない。そういった方々には物足りないであろうことを断っておきたい。
本文にもあるように、いま「地方選挙」がアツい。本当にふさわしい人が政治家になれる時代になってきているのだ。
平成28年に選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられたのは記憶に新しい。それもあって、選挙のたびに「選挙に行こう」という声が大きくなっている。芸能人がCMで投票を呼びかけ、SNSなどでも投票を促している(それでも投票率は未だ低水準で推移しているが)。実際に投票に行かなくとも、「投票」や「選挙」を意識する気運は高まりつつあるのだ。
一方で、「選挙に出る」となると意識することすらないように思う。
「選挙に行く」ことと「選挙に出る」ことはわけが違う。それはわかる。だがそれ以上に、「一般人が政治家なんて」といった気後れとともに、どうも選挙に出る人には、「特別な人」「特殊な人」感が漂っているからのような気がしてならない。
しかし実際は、政治家には国家試験や資格試験もなく、特別な資格を必要としない。(個人的には、ある程度の知識を積んだ人になってもらいたいところだが)要は、特別な知識よりも、人々の気持ちを代弁できる「国民の代表」「地域の代表」であることが求められる存在なのだと思う。
それならば、その人の「政治理念」で政治家を決めるべきだ。前任者から引き継いだ三バンも、別の事柄で得た知名度も、その人自身の政治理念によって築いたものではないのだから。
それにしたって、普通の人が政治理念なんて立派なものは持ち合わせていないよ、と思うだろうか?
例えば、絵にまったく興味のない人が美術館に行き、「自室に飾るとしたらどの絵画か」「どの作品なら買うか」という目線で観始めると、とたんに真剣に鑑賞するのだという。
同様に、もし自身が「地域の長になったら何をするか」を考えてみてほしい。日頃通る道に信号機をつける、公園に遊具を増やす、商店街を活性化させる……など、具体的に「地域に何が必要か」「何があれば豊かに暮らせるか」と考えを巡らせるのではないだろうか。
政治理念のスタートは、まさにそこだ。「日々の生活で感じる不安を解消する」、そういった一般感覚こそ、政治に必要なのだ。
選挙に出ることは遠い世界のことではない。一般人を自負する人にこそ「政治家になってみるか」と意を決してもらいたい。
自分ではなくとも、誰かの政治理念に触れ「選挙に出したい」と思う人がいたら、送り出す側としてのチャレンジもおすすめする。著者がそうであるように、その人の頭脳となり一番の支援者として、正しい政治家へ導いていってほしいと思う。
本書が、読者の人生に役立つことを願って。
担当編集 深谷その子
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