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介護で失敗してしまいました

 母は90歳です。
 軽い認知症があります。
 先日、白内障の手術を受けました。
 8月初めに左目、下旬に右目。
 手術を受けられた方はお分かりかと思いますが、目の手術で何が大変かというと、後の目薬なんです。
 3種類の目薬を5分以上の間隔をあけてさします。
 それが母の場合、左右計6種類です。
 左の目薬3種類を各5分間隔で、右の目薬を各5分間隔で。
 できるわけがありません。
 と思ったのが、まず一つ目の間違いでした。
 
 私は母の目薬は、同居している下の弟と近くに住む上の弟、それから私で ローテーションを組んでさすつもりでいました。
 最初から母を信じていなかったのです。
 
 ただ弟は違いました。
 目薬を、つける順番に並べてケースに立て、右目左目と大きく書き、5分あけるところは「5分」と書きました。
 母はケースの左から順にさしていき、5分というところは5分待ちと何度も何度も弟と練習し、おおむねできるようになってしまいました。
 弟が「できたね」というと、手をたたいて喜んだそうです。
 母は大きな達成感を味わってうれしかったんでしょうね。
 
 さてそんな時、私はおろかにも2つ目の間違いをしてしまいました。
 弟が家族LINEで、「お母さんに目薬をさしたか聞くとさしたと言うので、見てない」と言うのです。
 ちょうど弟が出勤の日、私は母が目薬をきちんとさせているか見にいきました。
 
 母が目薬をさすのを横からじっと見つめます。
 指先の力が弱く、目薬が出てこないものもありました。
 5分待つこともできません。
 3分くらいでさそうとします。
 私はそのつど強く制止しました。
 目薬が出てこないことに関しても、目薬を半ば取り上げるようにしてさしました。
 それで母は特に何も言いませんでしたので、目薬さしはOKと思って帰ってきたのです。
 
 さて夜は上の弟が目薬をさしに行きました。
 同居している下の弟は仕事で遅くなるからです。
 上の弟から家族LINEがきました。
「お母さん、素直じゃないのか、目薬さそうとしない」
 
 あ、私か。
 私のせいか。
 私の目薬のやり方が母を傷つけたのか。
 それで母はもう嫌だと思ってしまったのか。
 取り返しのつかないことをしてしまったと思いました。
 下の弟がせっかくていねいに教えてくれて、前向きに目薬さしに取り組んでいたのに。
 私が母にきつく当たって、それをぶち壊してしまった。
 でも実際やらせてみたらできなかったんだ。
 いいのか。できていないのに。
 本人に任せっきりでいいのか。
 私の心は揺れました。
 でもとにかく自分が悪かった。
 自分のやり方がまずかった。
 
 大反省して、今度は優しく接しようと思った今日なのでした。
 ため息がまた一つです。
 
 お恥ずかしい話でした。
 お読みくださりありがとうございました。
 
 
 高齢の人のプライドを無視するような行為は2度としません
 

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