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現代に生きる私たちの矛盾

早いもので2024になって既に1ヶ月、明日は2月。
今年最初の投稿は、もう何年も前になるのだがブログという媒体を通じて自分の言葉で訳したものを出したいと思うきっかけになったあるエッセイを取り上げる事にした。George Carlinという有名なコメディアン(以前ご紹介したSpacebustersの動画、Germs debunk Coronaに出てきて、それまでご本人の映像を見たことがなかったので意外な場所での登場にびっくり!)の作だと広く誤解されている様だが、正しくはDr. Bob Mooreheadという教会牧師の1995年の作とのこと。



QPのワンポイント英単語


paradox
カタカナでパラドックスと広く使われている単語なので、何を今さら…でしょうが語源を少々。元々は「離れた」を意味するpara-「意見」を表す-doxaから成り立ったギリシャ語のparadoxonがLatin語を経由して16世紀半ばに英語に入ってきたとの事。通常の考えからすれば離れた事、すなわち逆説矛盾、と言う意味で使われています。このエッセイにはたくさんの逆説・矛盾が挙げられていますが、その多くに対比の言葉 taller-shorter、wider-narrower、 more-lessなどが使われています。日本語にすると必ずしも対比の言葉にはならなくて、そこに翻訳の難しさと面白さを感じます。翻訳を読んだ後は、原文の醍醐味に触れるのもいいですね!


出典: Virgina Commonwealth University


現代に生きる私たちは矛盾だらけ


家は大きくなったのに家族の人数は減った
いろいろ便利になったのに、時間は減った
学位の数は増えたのに、良識は低下した
知識は増えたのに、判断力は低下した
専門家が増えたのに、問題は増えた
薬が増えたのに、健康度は低下した


酒は飲み過ぎ、タバコは吸い過ぎ
消費は向う見ずになり、笑いは足りない
運転はスピードの出し過ぎで、怒ってばかり
夜更かしは酷くなって、朝起きたら疲れは取れてない
読書は減り、テレビは見過ぎ、祈ることは滅多になくなった


所有するものは何倍にもなったが、自分の価値は減った
喋ってばかりで、愛することは足りず、憎しみは増すだけ
生計を立てることは学んだが、生き方は学んでない
寿命は伸びたが、その年月に生気が増えたたわけではない


月に行って帰ってきたが
通りを渡ってご近所さんと新たに出会うことさえ難しくなった
外の宇宙開発は成功したが、心の内なる宇宙探索はできてない
より大きな事を成し遂げてはみても、より良いことをしたわけではない


空気はきれいにしたが、魂は汚れてしまった
原子レベルまでわかるようになったが、偏見がなくなったわけではない
書くことは増えたが、学びは減った
スピードアップできたが、待つことができなくなった


コンピューターの数が増え、それで保持する情報も増え
結果かつてないほどに印刷量も増えたが
コミュニケーションは減る一方


今の時代は、ファーストフードを食べて消化はのろのろ
身体は大きくなったが、人間はしょぼい
利益爆増でも人間関係は薄っぺら


今は共働き時代で、離婚は増加
家は豪華になったが、家庭は壊れた


この頃は、お手軽旅行に 使い捨てオムツ
モラルは捨てて、一夜限りの関係、体は肥満の時代
薬を飲めば元気にさせたり、おとなしくさせたり、
果ては殺したりもできる時代


この頃は、ショーウインドーには色々飾ってあっても
倉庫には何もない時代
テクノロジーのおかげでこの手紙をみんなに届けることができるが
この見識を人にシェアもできるし
さっさとデリートボタンを叩くこともできる時代


忘れてはいけません
愛する人たちと過ごす時間を取ること
永遠に一緒にいられるわけじゃないからね


忘れてはなりません
あなたのことを畏敬の念を持って見上げてくる子に
優しい言葉を掛けること
その子はじきに大きくなって
あなたの側からいなくなるからね


忘れないでおきなさい
隣にいる人を優しくハグすること
それはあなたが心から与えられる唯一の宝で
しかも1円もかからないからね


忘れずにおきなさい
夫や妻、恋人、そして愛する人たちに
愛してるって言うこと
そして大事なのは本気で言うこと
心の奥底から出てくるものなら
キスや抱擁は傷を癒すからね


愛することに時間をとりなさい
会話をすることに時間をとりなさい
あなたの心にある大切な想いをちゃんと伝えなさい

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QP79
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