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【英語で】伝票

Q:飲食店などで会計時に持って行ったり、持ってきてもらう「伝票」は何と言う?

A:check(米)、bill(英)です。

旅の英会話本なら"Could I have the check/bill, please?"の様な文章が必ず載っていますから、checkの意味をご存知の方も多いことでしょう。昨日の投稿でcheckやchecker/chequerの語源はチェスに関係していることをお伝えしましたが、そこから「正しいかどうかを調べる、検査する」の意味が出てきました。さらにはそこから「伝票」の意味が生まれたのでしょう。ただこちらはアメリカ英語やスコットランド英語で、イギリス英語ではbillと言います。billの語源は中世ラテン語で「押印した文書」を表すbulla。


さて、単語が思い浮かばない時に陥りやすい間違いの原因が実は日本語。「伝票」を広辞苑で調べてみると「各種の取引についてその内容を通知するために作成・使用される紙片」とあります。飲食店が客に取引の内容について通知する紙片と言うことと捉えればで確かにその通りなのでしょうが、ではその「伝票」で和英辞書を引いても望む意味の英単語に行き着くことは稀でしょう。ちなみにネットで調べてみるとvoucherと言う単語が上がってきましたが、この単語には画像のような「伝票」の意味はありません。

ではどうすれば自分の求める意味を持つ正しい英単語(や他言語の単語)に行き着くのでしょう?それには母国語の力が物を言います。この場合の「伝票」は他にどんな言い方があるでしょうか? そう、勘定書ですね。すると手元にある新和英大辞典でも a bill, a checkと正しい単語に行きつきました。念のためここで改めてbillを引くと、勘定書、請求書とありますから bingo!ですね。ちなみに請求書の意味では、悪名高き制度で多くの日本人が知ることになった語invoiceがありますが、こちらは「送り状」「(商品の納品書、明細書を兼ねた代金請求書の機能がある)インボイス」、=billと載っていますが、飲食店の伝票は表しません。


外国語を学ぶ上で大事なことNo. 1と言っても過言でないと私が思うのは、「1対1対応思考を止めること」です。外国語を習い始めの頃は特に、ついつい「ある日本語の単語=ある外国語の単語」と思い込んでしまうことも多いかと思うのですが、そこから卒業できるかどうかが外国語上達の鍵です。

外国語が「できる」か否かに大事なのは実は母国語の力です。四六時中、例えば英語が使用されている環境(英語圏に住んでいる、そうでなければ両親のうちどちらかもしくは両方英語の母国語話者である)にいなければ、幼児の頃に英語に多少触れても「英語をコミュニケーションツールとしてしっかり使える」と言う意味での「英語ができる」にはならないことでしょう。もちろん外国人に対して臆することなく”Hi, how're you doing?" とか何とかカジュアルな会話がカッコよく言えるだけでいいのならそれも一つの選択なんでしょうが、母国語で考える力がしっかりしていることの方が遥かに大事だと言うのが、長年の経験から導いた私の結論です。

今日は、英単語というよりは、英語習得論がメインになってしまいましたね😅


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