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洋楽と英語

テレビやネットなどで懐かしいメロディが流れてくる事がありますよね。先日007シリーズのある主題歌が流れてきて久しぶりにAmazon Musicで聞いてみました。すると1970年代の洋楽コンピレーションがあって、そこでまた別の懐かしメロディを見つけました。ABBAのDancing Queenです。

動画でどうぞ!


私が英語を使った職業に就こうと思うほどに英語を学ぶことになった最初のきっかけは洋楽でした。中学生の頃からCarpentersやOlivia Newton-Johnなどを聞いてリスニングや発音の教材代わりにしていました。当時は英語の音声教材は60分程度のレコードやカセット1本5,000円以上だったと記憶しています。そんな高価な物には手が出せずともその半分くらいの値段のLPには手が出せたので、彼らは私の大事な英語の先生たちでした。Karen Carpenterの教科書英語の様なキレイな米発音は学習者向きでしたし、同様にオーストラリア育ちの英国人Oliviaの美しい歌声の発音も聞き取りやすかったです。でもbehindの発音が【bɪháɪnd】ビハインドじゃなくて【bəháɪnd】バハインドだったので、???と聞き取れなかったのも懐かしい思い出です。英語にもいろんな発音があるんだって学べたのも、当時としては比較的簡単に様々な国の英語に触れられる音楽ならではのことでした。

さて70年代メガヒットをバンバン飛ばしていたグループの一つがABBA。私は度肝を抜かれました。いえ、音楽にではないです。彼らの歌はすごく好きでしたが、度肝を抜かれたのは彼らの英語力とその発音。同じインド・ヨーロッパ語族(印欧語族)の言語を喋る一般的なフランス人やイタリア人の英語の発音がどんなものかご存知の方も多いでしょう。フランス訛り、イタリア訛り、明らかにわかりますよね。でもスウェーデン人である彼らの発音はネイティブの発音としか思えませんでした。帰国子女だからなんじゃないの?いえいえ、彼らはスウェーデンで育った普通のスウェーデン人です。英語習い始めて間もない頃の私の耳には彼らの英語(歌の中だけでなく、インタビュー中の会話など)はほぼnative English speakersの様に聞こえましたし、総じてスウェーデン人の英語の発音の訛りは強い方ではありません。後で知ったのですが、同じスカンジナビア諸語(北ゲルマン語)を使う二国、ノルウエーとデンマークもかなりのハイレベル英語能力で知られる国です。ちなみにスカンジナビア半島のもう一国フィンランドは印欧語族ではなくウラル語族を話す民族です。

北ゲルマン語を話す人たちの英語力が高い理由の一つは、英語との近似性。印欧語族の中でも英語と同じゲルマン語族に属するのが北ゲルマン語のスウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語などです。俗ラテン語を祖とするフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などのロマンス語族よりも英語に近いのです。ただ面白いのは、スウェーデン語よりももっと英語に近しいドイツ語を話すドイツ人の英語はドイツ訛りがはっきりわかりますので、その差はやはり教育方法による違いである可能性が高いと思われます。(どちらがいい、悪いではありません。国民全員がネイティブ並みに英語が話せる必要は全くないですし、子どもの頃に母国語をしっかり学習し、母国語での思考能力を養うことの方が遥かに大事だと思っています。)

外国語を聞いたり話したりできるようになりたければ音が必須です。読んだり書いたりする力を身につけるのでも実は音がなくては非効率です。音楽(歌)好きさんは、ぜひ歌と歌詞を活用してくださいね!もちろん動画やポッドキャスト、CD付き書籍など比較的安価で手に入る語学音源がいくらでもある今の時代、歌以外の音もいっぱい活用しましょ!言葉は技能。毎日練習しなくてはなかなか身につきませんよ!

何はともあれ、彼らの英語に触れた事で私も外国語の一つの英語を彼らの様に操れる様になりたいと思わされたこと、また英語運用能力を身につけようと改めて強く思わせる推進力だっただけでなく大学で英語学や言語学まで学ぶことになった大きな一因だった事を思い出しながら、Dancing Queenを懐かしく聞いたのでした。

追記
こんな番組の紹介が上がってきました。記録としてこちらにもリンク置いておきます。
https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/GVYM8WR521/


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