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No.2の右腕が語る“経営者に求めること”

ある経営者が「右腕となるNo.2の不在」を嘆いていました。形式上のNo.2はいるものの、長期的なビジョンを共有し、トップと現場の橋渡しをしてくれる存在がいないため、孤軍奮闘しているのです。組織規模は問わず、うまくいっている企業ほど、頼れるNo.2の存在が与える影響は大きいです。

そこで先日、私の知人である「スーパーNo.2」と呼ばれる方と、その理想像についてディスカッションする機会を設けました。この方は、組織のNo.2として多くの企業を成長させています。
直近では、2022年に売上1億円規模の企業に入職し、わずか1年半で売上を3億円にまで伸ばし、事業の多角化にも成功した実績を持つ人物です。

その方は、No.1に求めること、そしてNo.2の要件について丁寧にまとめてくれました。ここでは、その内容を事例を含めてお伝えします。

①No1に求めること=スーパーNo.2が選ぶ経営者とは

経営者に求められる最大の役割は、理念やビジョンを明確に示し、それを組織全体に浸透させることです。経営者のビジョンが具体的な行動指針として明確に言語化されていること、そしてそれが全社員に共有され、実行されることが重要です。単に抽象的な理念を掲げるだけではなく、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を達成するための具体的な道筋を示し、それに基づく行動が最終的に理念の達成に繋がる必要があります。

経営者は、組織全体を一つのビジョンに向かわせるために、明確な方向性を示し、そのビジョンをNo.2や他の幹部と共有する責任があります。
トップがビジョナリーだからこそ、地に足のついたNo.2が輝けるフィールドがあるのです。

また、経営者は次のような要件を備えていることが求められます。

  • ビジョンの共有力: No.2や幹部と共にビジョンを共有し、組織全体に広められること。

    • 社員を惹きつけ、共感を得るような夢、わくわくするビジョンを描く力が問われます。

    • でかすぎるくらいのビジョンが良いとのことです。抽象度の高いビジョンであっても、行動指針にまで落とし込んでいれば、現場に伝わります。

  • 絶対的な倫理観: 組織のリーダーとして、守るべき倫理的基準を持ち、厳守する力。

    • スーパーNo.2の方は、敢えて「グレーゾーンを攻めないか」と提案することで、No.1の倫理観を確認すると言っていました(笑)

  • 合理的な思考: 物事を論理的に判断し、適切な意思決定を行う力。

  • 多動性: 複数のプロジェクトや課題に対し、エネルギッシュに取り組む能力。

    • 多くの経営者は「この人は本当に休んでいるのか?」と心配になるほどに、仕事を楽しんでいます。ライフとワークは切り離せません。

  • 体調管理: 健康であり続け、経営に対して常にベストな状態で臨むこと。

  • 権限の委譲: 業務を他者に任せ、信頼して委ねる度量。

  • チャレンジ精神: 新たな挑戦に前向きであり、組織全体を鼓舞する姿勢。

No.1の経営者は、ビジョンが社員にしっかりと伝わり、社員全員がそのビジョンに従って進む状態を作り出す必要があります。そのためには、経営者自身が社員に「どうなって欲しいのか」を問いかけ、裁量と権限を与えることが重要です。


② 経営者の右腕、No2の要件

No.2、すなわち経営者の右腕としての役割は、単なる補佐役に留まるものではありません。No.2には、経営者のビジョンを現場に伝え、組織をまとめる模範的なリーダーシップが求められます。
スーパーNo.2が語る、No.2に必要とされる具体的な要件は以下の通りです。

  • ビジョンの伝達力: 経営者のビジョンを全社員に伝え続ける力。

  • 一蓮托生の覚悟: No.1と共に責任を分かち合い、組織と共に歩む覚悟。

    • 最後まで経営責任を取り切れないからこそ、覚悟だけは持ち合わせるべきだと言います。

  • 絶対的倫理観: 経営者以上に厳しい倫理基準を持ち、グレーゾーンを拒否する覚悟。「グレーなことをするくらいなら、潰れても良い」という姿勢が必要です。

  • 交渉力: 組織や社員間で「三方よし」の結果を引き出すための交渉力。

    • この交渉力は鍛えづらく、先天的なコンピテンシーに近いものだと語られていました。

  • トラブル時の信頼性: トラブルが発生した際に、真っ先に相談される信頼できる存在であること。

  • 模範的職員: No.2は常に他の社員の模範となり、現場で経営者の代わりとして先頭に立つ姿勢が求められます。

  • 勤勉さ: 目標達成に向けて高い意識を持ち、誰よりも勤勉であること。

  • 心身の健康: プレッシャーの中でも心身の健康を維持し続けること。


まとめ

No.1である経営者がビジョンを示し、No.2がそのビジョンを具体的に現場に伝えることで、組織全体が一つの目標に向かって進むことができます。No.2は経営者と一蓮托生の覚悟を持ち、倫理観を重視しながら、交渉や問題解決に取り組む存在です。

もちろん、No.2の役割には様々なスタイルがあるかもしれませんが、スーパーNo.2が語るNo.1像とNo.2の要件は非常に新鮮で実践的な内容だと思います。何しろ、これは実際のインタビューに基づいたものですからね!(笑)

No.1である経営者とNo.2がビジョンをしっかりと共有し、それを組織全体に広めることで、信頼される強固な組織が築かれていくのです。

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