インフルエンサーとはこういう人を指す言葉だ
<ムービージュークボックス22>
自分は殺されるかも知れない。
恐れていながら身体をはっていた。アイルランド、ダブリンの新聞社の
女性記者ヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は、
麻薬シンジケートにけんかを売っていた。
競合新聞社の記者たちからは、目立とうとして危ない橋を渡っているだけと、
ヴェロニカの勇気を評価しなかった。
映画「ヴェロニカ・ゲリンveronica gauerin(2003)」
ヴェロニカを駆り立てているのは、1990年ごろダブリンの街路には、コカインの注射器が、むぞうさに捨てられ、子供たちがそれで遊んでいたことを見たショックだった。しかも、麻薬シンジケートが、警察内部に入り込み、警察は、見て見ぬふり。
ある日、ヴェロニカの家に、警告の銃弾が撃ち込まれた。母、夫、子供を、恐怖におとしいれた。太ももを撃たれたヴェロニカは、頭を撃たれなかったのは、女性
記者を殺害することで、ダブリン全市民を敵にまわすことを恐れていると読んで、さらに大胆な行動に出た。
ヴェロニカは、組織を分断させ、ボスの自宅に乗り込んだ。今度は、ボディガードに顔面を殴打され、ほお骨を折った。裁判ざたにすると、原告者になり、記事が書けなくなる。彼女は、記事を書く方を選んだ。そして、徹底してボスを追い込んでいった。
1996年6月26日、スピード違反常習犯のヴェロニカは、罰金刑を言い渡されるために、苦笑いしながら法廷に出た。
警察内の情報発信者からボスに連絡が入り、バイクに乗った殺し屋が差し向けられ、ヴェロニカは、愛車の中で、頭蓋骨を撃たれ殺害された。
ヴェロニカの死をいたみ、ダブリン市民をあげて、喪に服した。
そして、アイルランド国民が立ち上がった。英国へ逃亡していたボスを逮捕し、
麻薬シンジケート組織を壊滅させ、ヴェロニカが夢見た、街から国から、麻薬を
撤廃した。
命をかけて理想を求めたヴェロニカの記者魂を、日本のジャーナリストはどう考えるのか。人権に対する意識の欠如。ジャニーズの性犯罪を見て見ぬふりしていたマスコミの犯罪でもある。報道自由度世界68位の、忖度日本には、ヴェロニカが必要だ。