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聴き継ぎたい名曲【6】
筆者の独断と偏見で、聴き継いでいただきたい楽曲やアーティストを取り上げていきます。
今回はthe brilliant green。1997年デビュー。以前投稿したMy Little Loverなどと並んで、1990年代から2000年代前半のJ-POP全盛期を代表する音楽ユニット。当初は、ボーカルの川瀬智子を含めて3人編成のグループだった。
代表曲「There will be love there -愛のある場所-」。ブリティッシュ・ロックを基調としたメロディアスで詩的な作風は、以前投稿したMy Little Loverと近いものがある。
2000年5月31日発売「Hello Another Way -それぞれの場所-」。筆者が初めて、このグループの素晴らしさを認識した曲。苦しくも楽しかった若き下積みサラリーマン時代、当時の筆者は、スカパー!(CSデジタル放送)の番組取材に駆け回っていたのだが、毎回、締め切りまでのコンテンツ企画と新規アポ取りに頭を悩ませ、ほとんど飛び込みに近い形で次々と取材交渉し、自動車に機材を乗せて現場まで運転し、カメラを回し、インタビューをして、編集し、納品し…というのを繰り返していた。その時、心に響いて勇気と希望を抱かせてくれたのがこの曲だった。
2007年12月12日発売「Enemy」。川瀬独特の世界観が良い。このMVを視聴しても分かるが、ビジュアルが可愛いだけでなく、抜群のセンスと衣装へのこだわりがあった。バンド活動では洗練されたカリスマ性、ソロ活動では多様なキャラクターにフィーチャーし、J-POP全盛期のアイコンとして際立っていた。このダークな曲は、世間に媚びず、独自の世界を貫こうとする彼女なりの信念が心地よい。人間にとって「明暗」が実相であり、心の闇は癒しの共鳴にもなり得るのだ。彼女の作詞や歌唱が、そのことを証明している。
2014年以降は、実質的に川瀬のソロプロジェクトとなっているようだが、時々SNSで見かける程度になってしまった。同世代・同学年として今後の活動に期待したい。
▼バックナンバー
聴き継ぎたい名曲【1】
聴き継ぎたい名曲【2】
聴き継ぎたい名曲【3】
聴き継ぎたい名曲【4】
聴き継ぎたい名曲【5】