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理屈で説明しまくるのは、カッコいいのか?|ブランディングと商売
人がブランドに魅力を感じるとき、最終的には説明を超えた部分に引かれるものです。その説明できないところを、どうやって訴えていけばいいのでしょうか。
Voicy No.0320 2023年5月31日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!
別物なのに一緒にされがちなもの
今の時代こそ、商売しようと思ったら
ブランディングといわれます。
でも、個人事業主とかフリーの人とか
中小企業が生き延びていくために
最初に手を付けるのはマーケティングです。
まず多くの人に知ってもらおうとして
頑張るからです。
マーケティングとブランディングは
全く違うものです。
マーケティングをかけて集客して
多くの人に知ってもらうことと
ブランディングは違うという前提を
理解した上で聞いてほしいです。
マーケティングでは
初めての方の興味を引くような
もっと言うと
バズッたりセンセーショナルなことをやったりします。
興味付けをして視線をこちらに向けておいて
そのあとマーケティング的に必要な要素を並べて
顧客の心理をうまく誘導していくのです。
俺の言い方だと
「丸め込んでいく」ことのノウハウは
結構世の中にたくさん出ています。
DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)
ただ、それをもう少し狭く言うと
ダイレクト・レスポンス・マーケティング
というものになります。
長めのLPをつくって
顧客満足度何パーセントとか
何万人が買ったとか
お客様の声と数字を入れるとか、
7大特典とか、
何とか成分が何パーセントから
何パーセントにアップといったように
説明とか理屈を詰め込みます。
「最後にこのページからご購入できるのは
あと48時間のみ」みたいに
カウントダウンのタイマーをつけて
ボタンをクリックさせようとします。
これらをマーケティングのやり方として
否定する気は全くありませんが、
ブランドづくりは
実は全く逆になることを覚えてください。
ブランドとDRMの違い
ブランドって
自分たちのスタイルや哲学に対して
共感と愛着を持って
「これじゃなきゃダメ」と思って
付いてきていただくこと。
だから説得を激しくやればやるほど
自分たちのスタイル、哲学、メッセージ
やっていることに
「自信がないからでは?」となって
カッコ悪くなるんです。
DRM的に顧客を心理誘導して
ポチッとボタンを押させるとか
「今日行かないと、あのモデルがなくなっちゃう」と
思わせて足を運ばせる。
また、来てもらったら
「何万人が買ってます」「今売れてます」と
理詰めで詰めていくことと
ブランドが好きになることは
やり方が違って矛盾してしまうんです。
いいとか悪いとかではないけれど
YouTubeの動画コンテンツで
「まずお前が矛盾するだろう」となります。
こういう音声コンテンツは
さまざまな分野やジャンルに関して説明して
見聞きしていただく方に
理解してもらうメディアです。
YouTubeも
専門分野、分類化が進んでいます。
料理に関しても
お酒のつまみの説明のYouTubeがあったり
ファッションも
1990年代の裏ハラに関するチャンネルが
あったりします。
俺もそうだけど
説明する側が理屈っぽくなればなるほど
カッコ悪くなるんです。
だから本当のブランドは
最初のマーケティングで興味のフックをかけて
ある程度の説明が必要なところは
きちっと説明します。
そこからスタイル、センス、メッセージ
哲学に共感や愛着を好きになってもらうには
やはりコテツのブランド論でいう
「アイコン化したシンボリックなもの」が
あったりするのです。
また、スタイルやセンスを
感じさせやすいものをきちっと打ち出して
直感的に「私のブランドだ」とか
「私のものだ」と思ってもらうように
どこかでお客様との関係の中で切り替えていく。
そんなコミニケーションスタイルに
変えていくことが
ブランドづくりとしては大事です。
カッコよさを説明することがカッコ悪い
カッコいいブランドだと思われる上でも
「途中からは説明はやぼだよね」となっていかないと
本当にカッコいいブランドだとは
思われなくなります。
人のことを好きになったりするのも
そうでしょう?
「俺の魅力を50くらい言います」といって
「爪は常に短く切っている」とか
「靴下に穴が空いてない」とか
「ご飯食べるときはいただきますと言う」
と並べてみる。
もちろん、あなたの魅力を説明説得して
理屈で言ってくれるのは全然いい。
でも、かっこよくないから
心底褒めるのは
結局トータルの雰囲気になるじゃないですか。
マーケティングとブランディングを
2本別立てで戦略を立てないといけないのは
全然構造が違うからです。
本当のファンは理屈を超えちゃうでしょう?
ヴィトンやディオール、エルメスという
ブランドのファンに
ブランド側が理詰めで説明したり
心理誘導してこないでしょう?
ビジネスに興味があって
取り組んでいて成長させたいと思ったり
フリーとかお勤めの方でも
ビジネスを勉強して売ろうと思ったら
理屈を積み重ねていくマーケティングを
最初に学びます。
その強化版がブランディングで
理屈をこね続けていけば
ブランドが出来上がって
ファンになると思っているでしょう。
でも、うちはやり方が全然違うので
途中からは説明しないようにしています。
ブランドとモテは似ている
黙っていても魅力的な人って、いますよね。
それはビジュアルがとてもいいのではなくて
男性なら、なんかちょっと
危うい雰囲気あるとか影があるからです。
女性なら、すごく純粋に見えるとか。
一生懸命アピールするために
しゃべったりデートコースを考えたりしているのに
そういう雰囲気の人に負けちゃったりしませんか。
俺はいつも「ブランドと恋愛は同じ」といっています。
例え話の刺さり具合に関しては
いつも疑問を持ちながら話しています。
これはニュアンスになるので。
でも、そういうところなのです。
ブランドも、なんでカッコいいかを
説明すればするほど格好悪い。
なんで私たちが素晴らしいかどうかを
理屈で説明すればするほど
途中まで「なるほど」と思っても
それをやりすぎると一番カッコ悪い。
そういう矛盾を抱えながら
それをうまく分けてやっていくところだったりします。
マーケティングにおける理屈の説明説得と
ブランドづくりで熱くて素敵なブランドになって
クールなかっこいいブランドだと思われるための
アイコンとかセンスとかスタイルとかを
打ち出していく両面を、
うまくバランス取ってやってください。
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Profile・・・久々野智 小哲津(くくのち こてつ)
ブランドプロデューサー/事業家
ブランドや企業の魅力を高め世の中に届ける仕事。海外企業日本進出、IT事業、エンタメなど合計7社を経営。それ以外にも、国内の人・物・企業・番組・タレント・テレビCM・広告•ブランドのクリエイティブなど130のプロジェクトを担当。現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や業界トップ企業のブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務める。
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上の文章はVoicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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