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自分がブランドになるとは?

Voicy No.0138 2022年4月1日放送

有名人じゃなくてもブランドになれる。


「自分がブランドになるとは?」についてお話をします。

Voicyを聞いた方からご質問いただきました。良い質問だったので、それで1テーマ行こうかなと思っております。

『Yu Kochi 2022年3月24日
コテツさん、いつも大変興味深い話をありがとうございます。楽しく聴いています。
過去回初回から全部聞いてやっと最新話まで追いつきました。
今日のお話(今までのお話も)は個人にも当てはまる、ということですが、これまでに矢沢永吉さんなど、熱いファンがいる方の事例はいくつか出してくれていたように思います。ただ、「そういう人前にでるような人でなくても応用できる」の所がイマイチイメージが湧きません。その辺りをもう少し深掘りしてもらえると大変嬉しいです。
これからも配信楽しみにしています。』

これはなかなか鋭いご質問です。ブランディングをやろうとか、ブランディングって何だろうと思う最初のきっかけは、商売に関わっている人が自分の商品やサービスをもっと売りたいとき、マーケティングとか集客を見ていたら、ブランディングというのがあるといって興味を持つ感じです。

普通に生活していると、急にブランディングだけが気になることは、なかなかありません。ですから商品にしても自分にしても、多くの方が周知するためにブランディングを考えてしまうのでしょう。

コテツブランド論の根幹は、有名か無名かでモノが売れるのではないということです。有名だから売れているモノはありますが、それはナショナルブランドか、世界的ブランドの場合のみです。

コンビニで棚を取れているものは、よく聞くから手に取ることもあるけれど、カルビーとかキリンビールといったレベルものです。コンビニの棚にあって迷ったらよく聞くほうを手に取らせる商売というのは、ごく一部の巨大企業だけができるやり方なのに、多くの人がブランディングとか商売を考えたときに、なぜか「名前を売ったら売れる」と思い込んでいるのです。

1000億とか5000億ぐらい売っている企業でも、100人に聞いても知名度が5%程度の会社や商品は結構あります。

話が広がっていったので元に戻します。

個人の場合も、ブランディングをして多くの方に知ってもらって、SNSがバズって、YouTubeの登録者が増えるとワーキャー言われるのは、知っている人が増えたら影響力が行使できるという前提のもと、ブランディングをやるという捉え方です。しかし、それは一側面にしか過ぎません。

ブランディングとはインスタを頑張ることではないんです。

ブランドというのはファンがいることです。

ファンがいるから、ブランド状態に入っているのです。ファンとは何かというと、相対比較を超えて、その分野においては「これじゃなきゃダメ」と思って買っている方のことです。

なので、スマホを買おうと思ってAndroid携帯でどんなに充電の持ちがよくて画面がきれいなものがあったとしても、iPhoneを持ちたい場合は買いません。Appleのファンになっているので、「これじゃなきゃダメ」といって相対比較を超えてファンになってしまっているのです。

コーヒーショップに行こうかなと、うろついているとき、近くにルノアールとか純喫茶とか何とかコーヒー店とかドトールとかマックの100円コーヒーがあっても、200メートルぐらい歩けばスタバがあるとわかっていれば、スタバで飲みたい。

スタバのドリップコーヒーは350円でドトールだったら250円と言われても、「安いからじゃないんだ。オレはスタバでAppleのパソコンを開いて、イケてるオレとやりたいんだ」となれば、それがファンです。

個人の場合、有名じゃない一般の生活で「ブランドが効いている状態」とはどういうことでしょうか。

強い愛着、強い支持、強い興味の下、自分を推してくれる方がいると、物事は成し遂げられやすいのです。商売においても潮の満ち引きというか、盛り上がっているときだけ買ってくれて、盛り上がらなくなったら買わなくなる方というのは、顧客ではあるけれどファンではありません。

どんなに周りがそれに関しての価値を認めなくても、あるいは名前を聞かなくなっても、これが好きだからこれを買うとか、ここのお店が好きだから行くという人がいれば、その方はファンです。

認知度はマックスでもファンがいないものといえば、例えばタピオカです。ブームが引いたら誰も買わなくなってしまいます。今タピオカが飲みたいからタピオカを探して東京まで来て飲む人は、なかなかいないと思います。

レインボー綿あめはがやりましたが「これじゃなきゃダメ」ではありません。チーズドックは、かじって引っ張るとホットドックの中に入ったチーズが伸びて、一時期インスタに皆さんがあげていました。

あれは買う方がいっぱいいて認知度は高いけれども、ファンはそんなに多くない。ですから、「どうしてもチーズドックじゃなきゃダメ」という方はいない状況です。

人も同じです。

知ってくれている人が多いという意味で、個人の場合はインスタで1回フォロワーがいるとか、Twitterでいっぱいフォロワーがいるとか、TikTokでいっぱいフォロワーがいるというのは、1つの指標になります。

しかし、この人じゃなきゃダメという状況が、その中の方たちとできているかどうかによって、その人がブランドになっているかは決まるのです。

ですから、先ほどYu Kochiさんが質問でも挙げてくださったように、矢沢永吉さんとかSnow Manとか橋本環奈ちゃんのようなスターには、ファンというか、応援している方がいっぱいいます。

それでほかの人が支持しているかいないかで乗ってくる人は、本物のファンじゃない。

あなたじゃなきゃダメと思って支えて応援してくれる人がいる状況と同じように、自分個人のブランディングは、知名度があるかどうかではなく、自分との人間関係において「あなたじゃなきゃダメ」という方が、いらっしゃるかどうかなのです。


まわりの人にしっかり応援してもらう。


ただフォロワーが増えれば影響力が増えると思っている人は、結構いると思います。しかし、どうせ無料で眺めているだけです。スワイプして暇つぶしする中で、たまたま暇つぶしの1つとして眺めているだけですよね。

「有料のイベントをやります」といったときに、足を運んでくれる方がファンです。

これは表に出る活動している方の一例ですが、個人の場合もブランドづくりとブランドは同じで、まずブランド自体があり方とか哲学とかセンスとかスタイルとかメッセージ自体が、そのブランドそのものです。

仕事やプライベートで周りの方との関係が「あの人は、これをすごく大事にしている人だよね」というのがわかるように自分の中でコンセプト化がまずなされているか。そのブランドコンセプトに合ったメッセージや行動を繰り返してファンづくりをしているか。

家族であっても、友達であっても、仕事先であっても、自分のある哲学に基づいて行動していることが、どなたかに届いていくのです。

「これに関しては誰々さんだよね」となっているのであれば、その方はブランドなのです。

自分自身のキャラクターとか芸風とかスタイルとかスタンスとか哲学を、整理しきれてない人が結構多いです。そうなると自分がブランドであるという認識がなかなか持ちにくいと思いますが、まずそこを整理して、それを周りの方に対して行動やお話やしゃべりの中で発信をしていって、ファンづくりをしていきます。

全てにおいて「あなたじゃなきゃダメ」となったら、完全に恋愛状態や母からの愛情のようになって無条件に全てを認めるようになります。しかし全肯定していただけることは、ほぼ生涯でないと思います。

でも、「こういう部分に関しては、あの人はこうなんだ」とわかっていただいて、何かやるときに協力してもらったり、フォローしてもらったり、自分の見えないところで推してもらったりするのは、ものすごく大事なことです。

例えば、誰かがあることを人生の中で大事にしていて、その人が熱意とか可能性とか才能があることを他の方がわかってくれていて、他のところでそれを推してくれて、「こういうことだったら、誰々がすごくこれに対してはいいと思っているんだよね」と言ってくれる熱狂的支援者、ファンの状態になっている人がいるかいないかで、ご自身一人の頑張りとは全然違う力が出てくるものです。

そういう意味においてブランド化、ファンづくりで、ファンの人との関係のためにはリアルなイベントや既存のファンの方と交流し続けることが大事なのです。

定期的に自分のよき理解者、よき支援者の方と時間をとって、食事に行くなり交流の機会をつくるなりしてファン度が高まり、ブランディングがより良くなり、ブランド力がついていくのです。

ですから、例えばAさんという方がいて友達も多い。Aさんの顔と名前はみんな知っているけど、その中の誰もがAさんの何かに共感しているわけでも愛着を持っているわけでも、熱狂的支援者になっているわけでもないとなれば、たまに会って仲良くしている友達に過ぎません。

めちゃくちゃ顔の広いAさんがいる。

それに対して、「Bさんのこういう活動とか、こういう考えに、オレはすごく共感しているんだ。こんなに可能性や才能にあふれた人だよ」と言ってくれる人が1人でもいたら、すごいことです。そうすると物事は成し遂げられやすいし、生きやすいですよね。

自分のブランディングのときに、出会うこともないような見ず知らずの人に顔と名前を知ってもらいたいという自己顕示欲とか、フォロワーが多いと言うことで影響力が高まったと思いたいのを重視するか。

それとも、自分の周りの方々との交流にじっくり時間をかけながら、自分のスタンスとか考え方とか特性とか個性とか、オリジナリティーを理解してもらう方が大事だと思うのかは、結構分かれるところです。

でも本当のところで頼りになるというか、困ったときや本当に自分が何かを進めていきたいときに力になってくれるのは、決して人気があるからではなかったりするんです。そういう意味で自分は、「個人がブランドになっていくことも同じメカニズムですよ」といっています。

個人がブランドになるために、SNSを頑張れとか、Twitterでのフォロワーが何人いたほうがいいよとか、YouTube始めろよとか、今だったらTikTokだぞとか、素人参加の恋愛リアリティーショーに出て名前を売れとか言われます。

それが何かになると思っている方はやったらいいと思うけれど、正直、何もならないというのが実際です。

有名になればうまくいくし、商売をやっていると売れると思いたいですよね。でも、商品は実際そうではないんです。でも、これはなかなか理解してもらうのが難しいと思う。

本題に戻ります。

Yu Kochiさんが質問してくださった「人前に出るような人でなくても応用できるか」の意味としては、自分をめぐる周りの方々に自分のあり方やスタンス、センスなどをうまく伝えられるようにコンセプト化して、言語化します。

ナチュラルプレゼンといいますが、自分で説明できるようにして、それに関して強い共感や愛着、支援をしてくれる方をつくっていくことが、個人のブランドをつくることになります。

「そうすると規模の大きいことができないですよね」と言われますが逆です。いっぺんに10万人に知ってもらっても別に何もできません。何人かにきちんと火がつけば、そんなに時間はかからないものです。

これについては、また別なときに話しますね。

Yu Kochiさん、ありがとうございます。また気になった点がありましたら、ぜひコメントなさってください。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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