集客と営業がいらないビジネスモデル
Voicy No.0229 2022年10月19日放送
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集客と営業は商売の基本ですが、苦手とする人はとても多いもの。リブランディングするときはマーケティングに頼らないビジネスモデルを選び、お客様と継続的に接点を持てる仕組みを考えてみてください。
ビジネスの両輪となるもの。
コテツのブランド論では、ブランディングをしていく上で車の両輪になるのは、「熱いファンをつくるブランディングの動き」と「ビジネスモデル」としています。
この2つがそろって事業は成長していくというのを、最近コテツゼミでは補強して説明して、一緒につくり込んだりしています。
個別のクライアントでは、ブランディングといっても結局は経営のご相談になるので、まずビジネスモデルをかなりいじります。
ブランディングでは、ただ単に露出だけを狙うのではないというか、「それはほぼ意味がない」という話をしているのです。
やってはいけないビジネスとは。
今日はブランディングの両輪となる、ビジネスモデルの話をします。
人はどんなことを気にしているかを見るために、情報収集としてTwitter(X)とかインスタを見ていると、「集客に困っています」という話がかなり出てきます。
でも、なぜそんなに集客に困るんだろう、とオレは思うわけ。
集客前提の商売自体が「やってはいけないビジネス」なのは明らかです。
ただ、この言い方って、ものすごく乱暴ですよね。
「コテツ、このフレーズは意味がわからないし納得いかないぞ」という方もいらっしゃると思います。
うまくいかないビジネスとか、うまくいかない人の思考の順番があって、「いい物がある。オレがやりたいことがある。だからビジネスする」というオレ主体主義というか、オレ発信主義になりがちです。
「売りたいものがあるけど、どうしようか」となったら、広く多くの方に知ってもらえばいいから、SNSを頑張る。広告を打つ。知ってもらって集客して認知が上がったら数が売れるだろう。
しかし、こう考える人は、どのビジネスを見ても、ほぼ全部うまくいっていません。
集客と営業がそんなに課題なら、集客と営業をしないビジネスモデルを先に組むことです。悩むなら、集客しないでやれればいいじゃないですか。
発想が逆なのです。
そもそも集客し続けないといけないビジネスは続きません。
認知度さえ上がればうまくいくというのも、うそです。
集客、営業が不得意な人は多いし、本人が言う課題はズレていることが多いです。
ビジネスのアドバイスや再構築をしていくときは概要を聞きますが、オレのほうで順番を組み立てたほうが早いので、本人が自覚している課題や問題というのは、ほぼ参考にするだけです。
でも大体は集客とか営業がうまくいかないという話が、個人事業主や中小企業の場合は多くなっています。
でも、問題はそこになくて。
そもそも無理やり集客しなければいけない時点で、そのビジネスとかブランドのポジショニングがおかしいし、売り込まないと売れない時点で、その商品は売れません。
ですから、売り込まなくていい状態にリブランディングや再パッケージすることが必要なわけ。
集客も営業もしないビジネスモデル?
そもそも世の中で続いているビジネスは、最初の顧客接点のところを大体どこかと組んでいるものです。
つまり、お金や人が流れてくる場所で始めることがとても大事で、それは物理的な立地ともいえるし、「どこかと組んで、どこかに入れてもらう」ことでもあります。
遊べる本屋ビレッジバンガードは、名古屋発のビジネスで300億ぐらいまで行きましたが、途中から確実にイオンモールに入っていました。
自分のビジネスのステータスと、自分のビジネスに人を流入させる販路というか、提携関係をもっと一生懸命つくればいいのに、なぜかうまくいかない人ほど、自前でお客さまをゼロから全部獲得しようとします。
もちろん、それで成立しているビジネスもあります。
でも確率としては、あまり良いやり方ではありません。
自然とターゲット顧客が集まるビジネスモデルを。
商品があって、それを多くの方に知ってもらい、告知して、知名度を上げて、集客して売っていくことだけが、リブランディングやビジネスの再構築で使う方法ではないのです。
「絶対欲しい」というスーパーニッチなクラスター(顧客群)というか、ライフスタイルが一致するとか、悩みが一致するというところに継続的に接点を持てる状態をどうつくるか。
ここが第一歩になります。
まずイベントやコラボでお客様と最初に接点をつくれるようなビジネスモデルを、いかに設計できるかにかかっているのです。
「いい商品があるから、それを告知、集客、営業して売る」という考え自体を変えましょう。
そもそも「自転車を一生懸命こいで大阪まで行く」という発想になっていませんか。コバンザメのように、飛行機の貨物室に自動的に入れてもらえばいいんです。
「集客とマーケティングこそが商売の王道だ」というのは、決して否定はしません。
しかし、マーケティングの技能を高めて、自力でお客様を取れるマーケティング力をつけるのは、すごく向き不向きもあるし難易度が高いです。
それがうまくできないし嫌だったら、避けてもいいのです。
マーケティングに頼らないビジネスモデル構築にチャレンジするのも、一つの手だよというお話でした。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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