数字や規模でマウンティングする考えが、もっともブランドから遠い
Voicy「コテツのブランディングと商売の話」コラム
読めばブランディングができて商売が上手くなる
このコラムは、コテツがVoicyのブランディングと商売の話で語った内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
Voicyもお聴きください。
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2022年7月29日(金)19時から
渋谷でトークショーをします!
内容:コロナで3年近く生活に制約を強いられている間に、消費や価値基準が激変するなかで、どう時代に合わせていけばいいか。今の時代、このタイミングで商売やブランディングをするための重要ポイントをお話します。
聞き手をお願いしたのは、天才研究家のやまけんさんと
コミュニケーションデザイナーの東ヤスオさん。
お二人の視点から、コテツの話をわかりやすく引き出していただきます。
当日は現地に来てほしいけど、もちろんリモートでも参加可能。
人数制限があるので、お早めにどうぞ。
お申し込みはこちらです↓
https://q-kotetsu2022.peatix.com/
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Voicy No0059 2021年10月19日放送
数字や規模でマウントする考えが、最もブランドから遠い。
世界で最も売れている。
俺が仕事をし始めた流れからいくと、最初はサラリーマンの時代があって、その時は営業をやっていて、めちゃくちゃ営業を鍛えられて、自分も営業を磨こうと思って営業力を身につけました。
その後もっと営業を効率よく進められるということで、見込み客を集めるマーケティングに興味を持ちます。
マーケティングといっても、最初はダイレクト・レスポンス・マーケティングです。
コマーシャルとかマスマーケティングで認知を上げるのではなく、見込み客を集めて反応を上げました。
そのダイレクト・レスポンス・マーケティングのノウハウが、ネットの時代が来たときにコンバージョンや申し込み率を上げるような能力として使えるようになったので、とてもビジネスがうまくいき、それをやっている間にブランドに触れていくことになります。
見ていただいた方にマーケティングで反応してもらうために数字の裏付けを出すことは、昔から言われている定番です。
何々をやった。
何%の成績がこれぐらい向上した。
「何々式で学んだら」みたいなことです。
商品でもいろいろあります。
昔の家電で結構多かったのは何パーセント性能がアップしたとか、例えば軽さとか、そういうものが結構あって、マーケティングで見込み客の方に購買へ進んでもらうために、数字で裏付けを出そうというのが定番でした。
それを使っている例として、映画では「全米ナンバーワン」とか。
「全米ナンバーワン」がなんぼあるんだとよくツッコミが入るけど、週間でとか、何州でとか、区切ればいっぱいある。
銀座のナンバーワンホステスと一緒で、銀座のナンバーワンって銀座全体のナンバーワンなのか、銀座のクラブにある1つのところのナンバーワンなのかだけど、あれも数字ですよね。これは至る所で使われています。
あとは規模です。
累計販売何十万個達成みたいなこと。
これが悪いと言っているのではなくて、マーケティング的には意味がある。商品自体のファンではなくても、たいして決め手がなくても、規模とかで推すというのは、販売個数が多いとか今売れてますみたいなことです。
ズバリ規模で推すというのは会社が大きくて信頼できるのと一緒で、会社が大きいかどうかと、その人から買う、その個人が信頼できるのはまた別だと思う。
でっかい会社でも変な人は変ですから。
これも昭和まで戻れば、大きな会社に勤めていれば人柄も含めて安心ねみたいな捉え方があったけど、そんなのは参考にならないというのは本当のところでしょう。
なので、希望とか数字で推していくというのは、それ以外のもので決め手がないところを、規模とか数字で決めてくれというやり方になるんだよね。
これはブランドからは最も遠い考え方で、さらに時代の流れとしても、マーケティング的に数字とか規模にすがっているのは結構ダサいという考えになってきている。
なぜかというと、結局 SNS で民意がわかるから。「なんとか賞受賞」とか「なんとか先生お墨付き」というのが昔はめちゃくちゃ効いたけど、今は効かないからです。
マーケティング的に効くというのは、お客様の反応で「何々先生がいいと言った」とかよりは民意を見ているというか。
食べログの点数でさえも数字とか権威です。あれもこれからはあまり参考にならないと皆さん思い始めていることでしょう。ちょっと話がずれるので、マーケティングの話はそこまでにします。
熱狂的な関係を結ぶのがブランド
結局ブランドというのは、ファンとの関係性があるかないかだと。
ファンと顧客は違うから、顧客がたくさんいるかどうかではないんです。顧客というのはお金を払ってくださる方として、ファンを「そのブランドじゃないとダメ」という強い、熱狂的で持続的なファンで、ロイヤルティがあるかだとしたときに、顧客数が多いと言われても、そこに「そのブランドしなきゃダメだ」という熱狂的な人がいなければブランドにならないので、どっちを見ているのかになってくる。
エルメスとかフェラーリとか「とらや」は数を自慢しません。
数を自慢するのはブランドがやることではない。
世界で最も売れているハンバーガーはマクドナルドだと思うんですが、世界で最もファンが熱いハンバーガーはマクドナルドだよと言ったら、ちょっとハテナが出ますよね。
もちろん人によってはマクドナルドがmy favoriteだ、私の大のお気に入りはマクドナルドなんだという方もいらっしゃると思う。けれども、どちらかというとファストフードの消費の仕方は消去法というか、近くにあったからとか、急いでいるからとか、たまにはいいかというところで、マクドナルドは世界で最も「売れている」ハンバーガーですよね。
ブランドはファンの方と熱狂的な関係があります。
「これじゃなきゃダメだ」というものが、あるかないかです。
人間関係でもそうです。
たくさんナンパして女の子と知り合いになったという数を自慢している人と、小さな愛を貫いている人がいたら、どっちがブランドなんだと。小さな愛を貫いて、お互いにこの人じゃなきゃダメだという状況をつくっているのがブランドですよね。
恋愛の場合は1対1じゃないと話が大分こじれてしまうけれども、ブランドの場合は、そういう関係の人が増えていくとブランドになる。
なので、町に毎日出て声をかけることを恥ずかしいと思わない人が、毎日声をかけまくって連絡先を毎日5人でも10人でももらって、その人が「自分はブランドだな。自分にファンが多いな」と思っても、それは別です。ものすごく薄い関係で数だけ多いことになるので。
自分の身の回りの自分の消費から考えてみても、よく買っているものと my favorite(お気に入り)って違うじゃないですか。
人生で1回か2回しか行ったことがないけど、どうしても「あのホテル」がお気に入りだとなる。
泊まるのは仕事をしていたりするとビジネスホテルが多いけれども、よく買っているものとお気に入りは違って、大のお気に入りになっていただくようにするのがブランドだし、ファンの方の思い入れの深さ、思い入れの熱さを持っていただくようにするのがブランドなので、数とか規模で推していかないほうが、ブランドの在り方としては合っているんだよというお話でございました。
以上、久々野智小哲津でした。
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