【 noteで学ぶ 世界の名画とアート思考 】 クリムト『ザ・キス』が現代のアーティストに教える5つの重要なメッセージ
= こんな人におすすめの記事です =
「 “ アート ”や“ アート思考 ” ってどうやら大事そうなんだけど、アートの見方もそもそも何なのかも、全然わからない。…でも、我が子に“ アート教育 ”はさせたい! 」
これ、僕の欲求です(苦笑)。
でも、あるある、ですよね?
ですが、なかなかどこを調べたらいいか分からないし、これらの情報にたどり着けないことがしばしば。
…ということで、このnoteでは、『 世界の名画とアート思考 』を週に1つずつお届けしております。皆様の一助になれたら嬉しいです!
なお、『 他にもこんな展覧会がおススメですよ! 』というものがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。教えてくださった方に、1コメントにつき100円をnoteのサポート機能でプレゼント!
= そもそもアート思考って? =
色々と言われてはいますが、
「 過去の状況を理解し、その中にある問題点や疑問を発見し、これまでに無い新しい価値観や方法を提案する思考法 」
と僕は理解しています。ここを意識しての名画を観察すると、“ あ!この名画はこういう観点でアート思考を取り入れているんだ! ”と理解しやすくなるので、おススメでございます。
= 今週の名画:接吻 =
アート界において、象徴主義を代表する作品として名高い、グスタフ・クリムトの「ザ・キス」。その煌びやかな金箔と情熱的な構図は、現代のアーティストにも大きな影響を与え続けています。本記事では、クリムトの生涯と「ザ・キス」の魅力をひも解きながら、今日のクリエイターにとってのインスピレーションの源となる要素を紹介していきます。
* グスタフ・クリムト(1862年-1918年) *
オーストリアの象徴主義の画家で、ウィーンの芸術界に大きな影響を与えた人物です。
彼は貧しい金細工師の息子として生まれ、幼少期から美術に強い興味を示していました。ウィーン工芸学校で学び、装飾芸術や建築デザインに触れながら才能を磨きました。彼のキャリアは、建築の天井画や壁画の制作から始まりましたが、後に彼の関心は個々の作品制作に移り、官能的で象徴的なテーマを描くようになりました。クリムトのスタイルは、豪華な装飾性と象徴主義を融合させ、ウィーン分離派(セセッション)運動の中心的存在となりました。特に金箔を多用した絢爛たる作風で知られ、「ザ・キス」もその代表例です。
5つの重要なメッセージ
1. 圧倒的なビジュアルの力
「ザ・キス」は、誰もが一目見ただけでその美しさに引き込まれる作品です。1907年から1908年にかけて制作されたこの絵画は、金箔を多用した豪華な表現で知られています。クリムトは、ウィーン分離派運動の中心人物として、古い伝統に縛られない新しいアートの形を模索しました。今日のアーティストも、このような革新と自己表現の重要性を学ぶべきです。特に視覚的なインパクトが求められるSNS時代において、ビジュアルの強さは作品の拡散力に直結します。
2. 金箔と模様で表現された感情
クリムトは、ただ情熱的な愛を描いただけではなく、その愛を象徴的に表現しました。金箔を使用した輝く背景、幾何学模様や植物模様を取り入れた衣装が、この作品の魅力を高めています。特に男性には四角形、女性には円形や植物的なモチーフが多用され、性別や役割の対比が視覚的に強調されています。このようなディテールへのこだわりは、アーティストにとって自分の作品のメッセージを強化するための重要なヒントとなります。
3. 歴史的背景と芸術革新
クリムトがこの作品を制作した1907年から1908年は、ヨーロッパ全体が大きな変革の時期でした。ウィーン分離派は、伝統的なアカデミズムからの脱却を目指し、象徴主義的な表現を進めていました。クリムトの「ザ・キス」は、官能性と精神性が交差する新しい芸術表現の代表例です。現代のアーティストも、時代の変化を敏感に感じ取り、革新的な表現を追求することが求められます。
同時期にパブロ・ピカソが「アヴィニョンの娘たち」を制作し、アンリ・マティスが「赤い部屋」を発表していますが、彼らもまた伝統に捉われない新しいスタイルを模索していました。こうした動きは、芸術が常に革新とともに進化してきたことを示しています。
4. クリエイターとしてのクリムトのビジネスモデル
クリムトはウィーンの上流階級から肖像画の依頼を受けることで、収入を安定させていました。彼の顧客には、富裕層の女性が多く、その肖像画は美的に洗練されたものが多いです。現代のアーティストも、パトロンやスポンサーシップなど、アートのビジネス面を考慮することが重要です。作品制作と収益のバランスを取るためには、クリムトのように特定のクライアント層にアピールすることが役立つでしょう。
5. 時代を超えた普遍的なテーマ
「ザ・キス」がこれほどまでに多くの人々に愛され続けているのは、愛や情熱という普遍的なテーマを描いているからです。クリムトは、愛とエロティシズムを芸術的に昇華させ、当時の保守的な社会に衝撃を与えました。現代のアーティストにとっても、時代を超えて共感を呼ぶテーマを扱うことは、作品を永続させるための大きな要素となります。
クリムトの代表作
グスタフ・クリムトの代表作には、「ザ・キス」以外にも、1907年に制作された「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」や、1902年の「ベートーヴェン・フリーズ」などがあります。これらの作品も、彼の象徴主義と豪華な装飾性が顕著に現れており、彼の芸術的な進化を物語っています。
「ザ・キス」を体験できる場所
この美しい作品を実際に観たい方は、ウィーンのベルヴェデーレ宮殿内にあるオーストリアギャラリーを訪れることができます。
住所: Prinz Eugen-Straße 27, 1030 Wien, Austria
電話番号: +43 1 795570
最寄駅: Sudtiroler Platz駅
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* 引用
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= あとがき =
noteをご覧いただきありがとうございます。
会社員の傍ら、上海で塗り絵本作家になりました、KENTA AOKIと申します。日本・中国を拠点に、個展をしたり、アジアやアフリカの子供たちと塗り絵イベントを行ったり、塗り絵本を出版したり、そういった作家活動を行っております。
作家活動を進める中で、美大卒でもない、若輩者の私は、“ アート ”に関して日々色々なことを学び、そのうえでアート作品を創るようにしております。というのも、“ 美大卒でもない ”というのが結構コンプレックスなんです。
ただ、そんなことを続けていく中で分かってきたのは、
「 アートを学ぶ方法って色々あって、美大の知識は勉強したらつけられるかも!? 」
「 アートって実は科学的かつ論理的で、むしろ理系向きかも!? 」
「 アートを届けるには、ビジネスの知識も必要なんだな 」
でした。
学べば学ぶほど、アーティストだけが“ アート ”を学ぶ・理解するのは非常にもったいないなと思ったのと同時に、もっともっと“ アート思考 ”を応用すると、おもしろいものやサービスが生まれるんじゃないかと思いました。
日々本を読み、実戦しながら、学んでいる僕がこれらを伝えていくことで、よりリアリティを持って、学びが共有できたら嬉しく思います。僕と同じ境遇にある方々に届き、共感頂けたら更に嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。