官僚哲学者・朱子、混迷の政界に立ち向かう(京都大学人間環境学研究科 准教授 福谷彬)
概要
「朱子学」の創始者として知られる南宋の朱子。
現代では「朱子学」というと頑迷固陋な保守思想のイメージですが、現実の朱子の生き様はそれとは真逆でした。彼は高名な思想家だっただけでなく、腐敗した朝廷に革新を迫る開明的な官僚でした。
隣国の軍事的脅威の増大、税負担の増加と民衆の困窮化、政治権力の腐敗と官僚の無策…。朱子が活躍した頃の南宋の時代は、こうした様々な政治問題が噴出した時期でした。
そのような時代にあって、朱子は、皇帝や直属の上司など、あらゆる権威に怯むことなく、民衆の窮乏と政府の腐敗を訴え、改革のための道筋を示し続け、彼の周囲には、彼の情熱に共鳴した有志の官僚たちが集まっていきました。
「朱子学」とは、本来そうした政治改革の理念として発展した思想でした。朱子は、病める瀕死の病人にまで譬えた宋朝をどのように改革しようとしたのでしょうか。
朱子と同じ時代を生きた人々は、彼をどのように見ていたのでしょうか。そうした観点から、朱子が歩んだ激動の人生を、福谷彬(京都大学)が全三回に渉り解説します。
第1回(朱熹が生きた時代背景)
youtubeにて無料公開
12月5日(月)19時~
スピンオフ会(朱熹の肖像画の謎)
youtubeにて無料公開
12月12日(月)19時~
第2回(朱熹の若年時代)
youtubeにて無料公開
12月19日(月)19時~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?