読書感想「カフネ」阿部暁子/著
不妊治療に行き詰まり、理由もよくわからず離婚され、最愛の弟を突然亡くしてセルフネグレクト状態に陥ってしまっているアラフォー女性がドン底状態から再生していく物語。こんなまとめ方、作家さんに叱られそう(笑)。
大人になれば親が無条件に正しいことばかりではないことは分かってきます。また、普通や当たり前が人によってそれぞれ違う事も。
人生は、ほとんどの場合、思い通りには進みません。人は結構突然亡くなります。そして、離婚・介護・シングルマザー・貧困など、思いもよらぬことが人生には降りかかってくるのです。真面目に一所懸命に生きていてさえいても。
不公平だと不満を持つ人は多く、いろいろな場面で公平を求めるが、頑張る力や悲しみに耐える力、コップの大きさはみんなちがっているのです。
できることできないことは人によって違うのに、「自助・共助・公助」という言葉を使い、まずは自分で何とかしろと公的な立場の人が言っているのを聞くと心が冷える感じがします。
衣食住は人としての生活の基本なのに、時に、自分や他者によって本人が気づかぬうちに、もしくは気づかないふりをしておろそかになってしまうことがあるのです。それは、誰にでも起こることなのにそれを忘れている人がなんと多いことか。
主人公は、亡くなった弟の元カノと家事代行サービスのボランティアを手伝う中で、いろいろな家庭やその元カノに関わることで本来の彼女の力を取り戻していきます。
お話が主人公がグダグダで心が破綻し始めているようなところから始まるので、読み進めていくうちに、
あなたって本来そういう人だったのぉー!!
って、笑ってしまったりもしました。
そして、物語の終盤は涙、涙でした。
NHKのBSでドラマ化されそう。
ここからは本の感想ではないのですが・・・・・・
この本、Amazonで購入しました。なぜでしょうか、帯がついてませんでした。スリップは挟まれていたんですけどね。他の品物と一緒に裸で段ボールに入ってました。
Amazonさんって、元は本屋さんですよね。以前はビニール袋とプチプチの袋に入れて、それを本の倍くらいの大きさの段ボール板に乗せた上から再度ビニールで巻いて、A5版の本が10冊くらい入るようなサイズのダンボール箱に動かないように接着して送られてきていました。
そんな、そこまでしなくてもというような梱包でした。マニュアルが変わったのでしょうか?
今は、やらなさすぎです! 本への愛情を失ってしまった元本屋さんよ、さようなら。