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背中で伝えること

周りの環境や人間関係は、人生の中で変化していくが、気づかないうちに周囲に影響を受けたり与えていたり。


これは、大学4年生から配属された研究室生活でのエピソード。

研究室ではテーマを与えられて研究をしていく。もちろん、今までの勉強とは違って答えはないので、先輩の様子を見ながら試行錯誤。だから、修士の先輩方の影響は大きい。どうやって研究は進めていくのか、どんな生活スタイルなのか。


私が配属された当時の修士2年の先輩方は、すごく賢くてストイックな方々だった。研究室の中でもいくつかの分野があるが、会議の場面では自分以外の分野に対しても意見を言えるような人達。とにかく頭の回転が早いし、研究に取り組む姿勢も真剣。

だけど、普段は話しかけるのが怖かった。研究室の雰囲気も卒業という一つの区切りが近づくに連れて少しずつピリピリとしていく。

だからこそ、自分達が同じ立場になった時にはそういう雰囲気にはしたくはないって同期と誓った。自分たちが先輩となった時には、居心地が悪いとは感じさせないようなコミュニケーションをとろうって。

その点については、楽しくできたのかなと思っている。卒業した今でも、後輩との繋がりも続いている。先輩と連絡を取ることはあまりないが(笑)


しかし、最近言われるような働き方という観点を当てはめると、後輩に対して与えていたのは良い面だけではない。


私も含めて同期はストイックでどこか負けず嫌いな人が多く、バイトや予定がある時以外は、ほぼ毎日研究室に通っていた。

研究に終わりはないし、やってみないと分からない部分が大きい。だから、自分の中でここまではやり切りたいって思う指標があったり、後輩の指導もしないとと思うと、単純に時間が足りない。

ただ一つ付け加えておくと、決していつも研究をしていた訳ではなくて、馬鹿みたいなことをしている時間も多かったので、あまり辛さを感じてはいなかった。思い返すと特殊な空間にいたんだと。


そんな、先輩を見ていたら後輩もやっぱり少しずつ染まっていく。研究室に泊まるまではそれほどしていなかったが、ある時後輩がエアベットを購入してきた。椅子を並べて寝ているよりはマシだと思うが、泊まることまで前提としてしまったら…

長時間やらないといけないということを後輩に植え付けてしまったのかなっていう反省。


最近、少し忙しいプロジェクトにいることもあり、逆の立場として上司から同じようなことを言われた。真似はしすぎないようにって。

日々の行動は、無意識のうちに環境に染められていくから、その環境は自分で見極めないといけないのかもしれない。


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