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タナカ ユウヤ
2021年12月3日 19:58
終電の一本前、仕事で憔悴しきった私を自宅の最寄り駅まで運ぶ電車が、ホームを煌々と照らしながら入ってきた。伸びる人影はそれほど多くはなく、こちらもまた疲労を肩に担いだサラリーマンが幾人と、それをさらに強調するかのように酒の臭いをまとった騒がしい若者が少し。私にもあんな時期があったことを、あたかも遠い過去のように思い出しながら電車が止まるのを待つ。彼らとの年齢の方が近いはずなのに、中年のサラリー