凝り固まった頭をほぐしてくれる『きょう、ゴリラをうえたよ』 | 読書日記
今回は、ゆる言語学ラジオで紹介されていた水野 太貴さん、今井 むつみ先生の『きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集』の読書日記です。
本書は、子供のことばの間違いを取り上げて、ことばの本質を子供の間違いからちょっと掘り下げて考えてみてる本です。言語オタクで、ラジオでの話も面白い水野さんが、子供のことばの間違い80選を紹介・解説しています。
ぼく自身は子供がおらず子育て経験はありませんが、子供が言語を学習していく過程を追うのは面白い試みでした。
凝り固まった頭をほぐしてくれる
個人的に特に面白かった間違いを4つ紹介します。
64の前の数字は65?
「前」という概念は非常にあいまい。視点によって、63も65も、64の前になっちゃう。かいじゅうのあかちゃんは、かいいち
「じゅう」を数字の十とすると、大きな怪獣は「かいじゅう」で、小さな怪獣は「かいいち」と考えるのは納得。さらに大きな怪獣は「かいせん(=海鮮)」になるのかな?笑こってりラーメンは、よごれたラーメン
状態を表すことばを覚えて、さらに、それがポジティブな意味合いかネガティブな意味合いかを覚えて使い分ける大人の世界は大変。入学式は、あたらしい「ニュー」の「がくしき」
実際には無関係なのに、たまたま日本語と英語で意味が通じる奇跡。
視点や解釈がすっかり凝り固まっているぼくからすると、このような視点は新鮮で、ちょっとは凝りがほぐれた気がします。このようなセンスの良い視点でことばを使って笑いを取れるようになりたい…。
この勢いで、もっと頭の凝りをほぐしたい
ことばの新しい視点で頭をほぐしていくということに関連して、ゆる言語学ラジオで紹介されていた『ピダハン』も読みたくなりました。アマゾンの奥地に暮らす少数民族のことばを調べていく中で、キリスト者から無神論者へと価値観ががらっと変わった学者の奮闘記らしい。
自分自身の直接体験のみ、いま目の前の時間のみを重視して生きる少数民族。数も色も神の概念もない。彼らの言語や文化を学んでいく中で、著者の西洋主義的な価値観がどのように崩壊してきたか…非常に気になっています。
『きょう、ゴリラをうえたよ』は内容的にもボリューム的にもさらっと読めますが、『ピダハン』は400ページ越えで値段も高いし、若干ビビってます…。汗
さいごに
noteをご覧いただきまして、ありがとうございます。
ストーリーを語ることが苦手なわたしですが、今後とも面白いと思ってもらえるnoteを継続的に発信していきたいと思います。