キリギリスでも、ええじゃないか。
我が家のリビングに、ここ一年ほど、飾ってある絵本があります。
それが、こちら。
人気絵本作家、のぶみさんと、書道家の武田双雲さんがコラボした、現代版「アリとキリギリス」のお話。
「アリとキリギリス」と言えば、言わずもがな、イソップ寓話の代表作の一つ。
働き者のアリが「良し」とされ、遊び人のキリギリスは、自分の快楽ばかりを追い求める「遊び人」、「ダメなやつ」の代名詞として、古くから語り継がれてきた物語です。
ここで、ちょいと脱線。
そもそも「イソップ寓話ってなんですのん?」という疑問が湧いたので、今流行りのChatGPT大先生に聞いてみました。
ほうほう、なるほど。
イソップさん(しかも奴隷!?)が作ったとされる、人生教訓的な例え話、ってわけですね。
確かに、「北風と太陽」のような自然界のモチーフもありますが、全体的には動物モチーフが多いですよね。
(そう言えば、過去にこんな記事も書いていました)
ちなみにこのイソップさん、ギリシャ語読みでは「アイソーポス」さんというお名前が正しいそうで、記録があまりなく、伝説の人物と言われることもあるそうです。が、実在したのは確からしい、という記載が、Wikipedia補佐官からの情報として入ってきました。
ご本人は小アジア(今で言うトルコの一部)の出身らしく、イソップ寓話は、その地域の民話を元に作られたのが発端だと、言われています。そして彼は元奴隷であり、語りが上手だったために、解放されたとか。
さて、予備知識はこのくらいにいたしまして。
本題です。
イソップ寓話の「アリとキリギリス」は、まさに「怠けてばかりいると、人生終わるよ!コツコツの積み重ねが、勝ち組への道だよ!」という教訓に他ならないわけですが。
のぶみさんと双雲さんの解釈は、ちょっと違います。
(ここからネタバレあり)
両者共に人権(虫権?)があり、「どっちがいいとか、悪いとか、っていう話じゃないよね」という前提が、まずあるのです。
その上で、「お互いの得意なところを生かして、お互いの足りないところを補い合って生きようや!」というメッセージが込められています。
ある意味、大団円的な終着点のようにも思えますが、この「ジャッジしない」「お互いを認めて、足りないところを補完し合う」という2つの考え方は、これからの時代の生き方の指針となる考え方ではないかな、と個人的には思っています。
ねたみ、そねみ、やっかみ。
この感情は、「オレっちはこんなにがんばってるのに!あいつはなんで、あんなに気楽に、のうのうと生きてるんだ、チキショー!」的な発想から生まれてくる。
なぜそういう思いが生まれてくるのかというと、「こういう生き方が正しい!」「こういう生き方が人間としてベスト!」「他の生き方は邪道!」という思い込みによるジャッジが、そこにはあるからだと思うわけです。
ではなくて。
どの生き方でも、いいじゃないの。
うらやましいなら、素直に、その生き方を、おせーてもらいませんか?
だって、もっと楽に、楽しく生きられたら、あなたも幸せじゃありませんか?
もし、教えてもらったその生き方が、あなたに合わなければ、元に戻ったらいいじゃない?
そんなゆるーい感じで、「どっちでもいい」感じで、力を抜いて人生を生きることができれば、争いも、喧嘩も、押し付けもなくなって、平和な世の中がやってくるのではなかろうか。
「へー、あなた、そうなんだー。それもおもしろいねー。でも、私はやっぱりこっちが好きかもー。」と、お互いぶつからずに、相手を否定もせずに、でも自分を卑下することなく、常にニュートラルでニコニコ笑い合える世界。
だーかーらー。
それが難しいんですってば!
はいはい、そうですよね😅
私の中でも、おんなじ声が聞こえてきます。(苦笑)
そのためにどうすればいいのか、その答えは簡単には出ないかもしれません。
そんな方法がすぐにわかるのならば、世の中の戦争も、争いも、とっくになくなっているでしょうし。
ただ、最近、こんなことは思っています。
どうしたらいいか、その方法は提示できないけれど、思い描く未来の世界の、共通認識を持つことはできるんじゃないだろうか、と。
もう既に、いろいろな人たちが、いろいろなところで声をあげています。
のぶみさんや双雲さんように、大きな渦を作る人たちもいれば、自分ができる場所からのアプローチもあり。
例えば私のように、文章で表現したり、音楽や映像、自分の作品にその世界観を投影させたり、実際にコミュニティをつくり、能動的に動き出している方もいらっしゃるかと思います。
今までの常識の枠を取り払った、「ジャッジしない」、「お互いを認めて、足りないところを補完し合う」新しい世界。
理想主義者と言われても、けっこう、コケコッコー!🐓
空を飛ぶことだって、宇宙に行くことだって、バカにされていた時代があるんですもん。
・・・自分はアリだと思っていたのに、実は、根っからのキリギリスであることに気づいてしまった私は、そんなことを日々、思っているわけなのです😜