共鳴スル
そもそも楽器は大好きで、今までもいろいろな楽器に手を出してきた。
ピアノ、ヴィオラ、オカリナ、クラシックギター、エレキベース、ハンドベル、パイプオルガン、カリンバ、二胡、などなど。
楽器を弾くことの醍醐味、楽しさは、私の中では2種類ある。
一つは、ひたすら自分の世界を掘り下げ、心地よい音の波に漂いながら、ヒタヒタに浸り切る恍惚感。
これは、ある程度の熟練が必要。
故に、最近の私の力量では、むしろ自分の至らなさが耳につき、自分の未熟さに、落胆することも多い。
もう一つは、他人と合わせることの高揚感、一体感。
これはハンドベルという楽器をやっていた時に、一番感じたかもしれない。ハンドベルは、51個の音を10-13人くらいで分担して受け持ち、1つの曲を奏でる楽器。指揮者の呼吸、隣の演奏者の呼吸を感じ取りながら、一音一音を繋げ、丁寧に音を紡ぎ出す世界。
チームワークが必要なのはもちろん、その曲の空気感、指揮者が醸し出すニュアンス、お互いの演奏の癖や間の取り方にアンテナをたてて、自分だけが飛び出ないように、曲の一部に溶け込む。
まさにお互いの音が「共鳴する」ために、あらゆる感覚を動員してひたすら「合わせる」ことに集中する世界、とも言える。
そして今回、また別の「共鳴する」楽器と出会った。
それが、太鼓だ。
KAOLYさんが開く和太鼓のワークショップ「共鳴スル太皷」。
和太鼓奏者であり、和太鼓バンドのリーダーであり、和太鼓道場も主宰しているKAOLYさん。
彼女の細くて、決して大きくはない身体から響きわたる太鼓の音は、ビンビンと私の身体と心に入ってきた。
何より、1回目に参加したワークショップでの体験が、どストライクすぎた。ワークショップが終わったあと、すぐ翌月のワークショップに申し込む。
音楽を楽しむためには、やっぱり基礎が重要。
技術の習得が必要。
血の滲むような練習が必要。
どこかでそう思っていた私は、KAOLYさんのワークショップに参加して、ある意味、打ちのめされた。
本当に大切なのは、そこじゃない。
呼吸。丹田。ビート。
事実、初めて触った楽器で、こんなに最初から楽しめた楽器は初めてだった。
もちろん、KAOLYさんの教え方も抜群。
屈託なく、サバサバしたお人柄、ところどころユーモアも交えながら、全身で太鼓をうつことの楽しさ、面白さ、美しさを教えてくれた。
心から震える音って、技術で出すものではない。
その人の内面から湧き上がって、溢れ出して、ついつい出てしまうもの、なのではないか。
2回目に参加したワークショップでは、力の抜き方が前回よりは少しわかったような気がした。
3時間のワークショップの中で、たくさん太鼓を叩いた中の何回かは、地響きのように自分のお腹・丹田に響く音が出せたような気がした。
何しろ、無心に、太鼓のリズムに身を任せ、体を思いっきり自由に動かしながら、まるでダンスをしているようにうち続ける時間が、楽しくて、心地よくて仕方がないのだ。
集まった十数人の音が重なる。
それぞれの想いが、その人自身が、音になって、部屋中に響き渡り、充満する。
いやー。
たまらんです!
考えてみれば太鼓が奏でる、あの「音」自体が、おそらく日本人のDNA的に、心の琴線に触れる音色なんだろう、と思う。
拍動。
波動。
胎動。
鼓動。
自分の身体の奥底から湧き上がるリズムと、自分が奏でる太鼓の音との共鳴。
KAOLYさんの太鼓をうつ所作、振り下ろす腕の振りとの共鳴。
隣の演奏者の動き、音を全身で感じながらの、共鳴。
空間に溢れる全員の音と、まぐわう共鳴。
いやー。
たまらんです!
言葉でいろいろ書いてはきたが、やっぱり究極は感覚的に「たまらない・・・」の一言につきる。
人生折り返しを過ぎた地点で、こんなにも心躍る、素敵な出会いが与えられたことに、改めて感謝。
☘️KAOLYさんの情報☘️
▽HP:和太皷タヲ
http://tokyo.tawoo.tv
▽Youtube:GOCOO KAOLY Official Channel
https://www.youtube.com/@gocookaolyofficialchannel5711