「書く」長距離走〜彼女の物語を紡ぐ〜

11月の下旬から12月にかけて、何本かの記事の締め切りを迎えている。

いつもはほぼほぼ、単発のインタビューの記事を書いていることが多いのだが、今回は「じぶんものがたり」という自伝作成の文章を立て続けに2本、お客様に納品した。

今回、納品した作品の一つは、電子書籍での出版を考えていらっしゃるお客様からのご依頼で、書き上がった文字数は約37,000文字。私が今まで書いた１つの文章としては、最多の文字数である。

最初に打ち合わせをしたのが今年の7月、合計4回にわたるインタビューを実施し、５ヶ月間かけてじっくりと書き上げた物語。
1回のインタビュー時間は2時間〜3時間、都度、構成やポイントを確認しながら、彼女の生い立ちや想いを言葉に紡ぐ作業は、不思議な感覚を伴う。

私が実際には経験していない彼女のストーリーを、彼女の言葉から掘り起こし、私の感覚をちょっと付け足して文字に変換し、物語として完成させる。
彼女の語る音声メディアを聞き、彼女が書いたブログの記事に目を通しながら、インタビューで聞いた内容に厚みを持たせていく。

私は依頼主の彼女ではないし、実際に彼女の人生を間近で見てきたわけではない。
ゆえに、もしかしたらものすごく的外れな捉え方をしているかもしれない。
そんな一抹の不安が頭をよぎることもあるが、「ふみさんに依頼してよかった」という彼女の言葉に背中を押されるようにして、最後まで走り抜けた。

未来インタビューのように、単独のインタビューを実施して記事を書く作業を短距離走とするならば、自伝作成は長距離走のような感覚に近いかもしれない。

出版までにはまだいくつかの工程を経る必要があるが、ひとまず肩の荷をおろしつつ、彼女の物語を完成させるべく、最後まで気を抜かずに伴走したいと気を引き締める。

唯一無二の、かけがえのない彼女の人生を言葉にして紡ぐ機会をいただけたことに、感謝。

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