伊達巻と運勢
364日が過ぎたのか。
念のためママンに伊達巻は購入済みかを確認する。
タワシは大の伊達巻好きなのだ。
正月のおせち過ごしスタイルが本当は嫌いだが、伊達巻と栗きんとんがある事でこれを甘んじて受け入れていたのだ。
それなのに今年、ママンは伊達巻を買わなかった。
三が日はずっと、悲しみと悔しさと伊達巻への愛情の再確認が押し寄せては消えて押し寄せては消えた。
1年越しの再会に胸を踊らさないわけにはいかないのだ。
そんな話をママンとしていると、唐突に「本当は言わないでおこうと思ったがアンタの来年の運勢はあまり良くないよ」と言った。
なんでそんな事を言うんだ!と怒るタワシ。
言わないでおこうと思ったなら言わないでくれ、と怒鳴り散らす。
ママンも大声で「どうせ見るんだろ!」と怒鳴る。
どうせ見る、とは「高島易断」のあの本のことだ。
タワシは微妙な生まれで、この占いだと、前年に生まれた人と同じ括りになる。
ママンも年だし、そこらへんを忘れちゃいないか、と確認すると、大きく驚き「間違えた」と言う。
よしよし。
じゃあ八白土星で見なかったんだね、と言うと今度は苦虫を潰したような顔で「八白土星で見たわ」と言う。
なんなんだ、この二転三転して結局嫌な思いをさせる手法は。
いよいよタワシのヘソの水は沸騰し、ママンから本をぶん取りチェックする。
え、悪くないじゃないか。
もはやママンのしたかった事がなんだったのかわからず黙ってほうとうを食べる。
ママンは昔からタワシにガセネタを掴ませる趣味があった。
これもそれだったのか。
人の話を鵜呑みにしてはいけない。
それではみなはん、また明日。
この場所で。
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