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雑記帳|月を見上げる

月着陸実証機SLIMがもうすぐ月着陸に挑む。

JAXAのライブ配信を見ている。

月かあ。
毎夜毎夜見上げた夜空にいるのに、時々、特別な存在になる夜がある。

今夜もそう。

あの日の満月もそう。
あの日の皆既月食もそう。

月には魔力がある。
何時間も見つめてしまう。
一瞬で涙が出ることがある。
なぜか語りかけたくなる。

数年前、まだ半分崩れたまま復興工事中の熊本城の背後から
ぬっと昇った巨大な赤い月は
夏なのに身震いするような冷たく鋭い光を放っていて
まるで突き放すかのように「お前は意志をもって生きているか」と問うているようだった。

私はあの夜、1時間も棒立ちして月を見つめた。

月着陸かあ。
月かあ。


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