自由度の高い関目で鈴蘭温泉とノンアルビールをキメる
大阪の城東区にある、関目という地域は、京阪電車の関目駅、地下鉄谷町線の関目高殿駅、地下鉄今里筋線の関目成育駅の3駅が、至近距離に開通しており、大阪の中心地である京橋や梅田へのアクセスが良い上に、その日の気分でふらっといつもと違う路線に乗れたりもしてしまうという、なかなかに電車による移動の自由度が高くて、羨ましい街です。
なおかつ、城東区は銭湯も多い。
残念ながら、駅からいちばん近かったパレス温泉は閉店してしまいましたが、2025年に閉店予定だったところを現店主さんの親戚の方が跡を継がれるとのことで撤回した深草温泉、そして、定休日の木曜日以外は朝の6時から深夜の1時まで営業している鈴蘭温泉は健在です。
茶色い煉瓦の壁に、堂々たる「鈴蘭温泉」の文字。
無骨な外観だ。しかし、手前に停められている自転車の数の多さよ……。激混みなのでは?とちょっと躊躇して、近くの深草温泉にしようかなあ、と一瞬だけ思いましたが、その日は月曜日なので、深草温泉は定休日。
大阪府内の銭湯入浴料金は基本的に520円ですが、ここはなぜか少し安くて、480円。さらに、基本的に100円のところが多いサウナ用バスタオル代は、30円という破格。
なので、バスタオル込みでも510円。通常の銭湯の入浴料金より10円ぶん安い。そして、バスタオル持参であればサウナ無料なのだそう。
正直、もうちょっと取っていいんじゃね?とか思う。なにせ、1日19時間営業だぞ、ここ。どういう営業体制になっているのか不思議だ。バイトがいるわけでもなさそうだし……。いや、いるのか、バイトの人?
銭湯のサウナ用バスタオルは、一般的には番台やフロントの人が手渡しでくれることが多いですが、ここはセルフで取る方式。となりに小さいふつうのタオルも並んでいるので、うっかり取り間違えないように。
浴室に行くと、1階の風呂部分だけでもなかなかに広いことがわかる。
深湯、浅湯、電気風呂、エステバス、ジェットバス、薬湯、そして手前の水風呂と、ひととおり揃っています。
サウナに入らずとも、充分に満足できる内容ですが、2階のサウナがまた広い。
対面するふたつの長椅子に、述べ13人ぶんのマットが敷かれている。背もたれ部分にも敷かれているので、凭れても背中が熱くなく、ゆったりできるのがありがたい。それに加えて、足下にまでオサレなカーペット?が敷き詰められている。足下の居心地もカバー。
それだけでも充分だと思うのですが、お尻の下に敷くためのラバーマットも用意されています。
ただ、これに関しては、使っている人はあまりおらず、使っていても場所取りのためだったり。13席もあるのだから、そうそうあぶれることもないだろうに。サウナの場所取り、ダメ、ゼッタイ。
ただ、サウナがこれだけ広いのに、水風呂は詰めても2人までしか入れない。2階の面積からすれば、横にある洗い場を少し縮小すれば、水風呂を倍ぐらいの広さにして4~5人は入れるようになるのだがなあ……。
ちなみに1階にも水風呂があります。しかし、いちばん端っこにあるので導線が微妙。そしてこちらも2人が定員。まあ安いし、他の部分が充実しているので、満足感が無いわけではないのですが。
お客さんはひっきりなしに行き交っています。以前に来たのは4年くらい前ですが、その時も繁盛している印象でした。
客層が多彩なだけに、マナーがアレな人も中には見受けられますが、常連さんどうしが挨拶したり、彫り物を施された方々が背中を流し合っていたり、古から続く銭湯の景色とはこういうものである、というのをまじまじと見せつけられる思いだ。
階段の脇には裸体の女性のレリーフが。これ、どこか他の銭湯でも見かけたような気がする。電気風呂の設置がブームだった頃と同じように、こういうものを置くのが流行った時代があったのだろうか。これを見て興奮するのかどうかというと微妙ですが、どういう意図があるのだろう。
なんやかんやで、1時間くらい滞在しました。
おお、浴室を出てすぐのところにウォーターサーバーがある。コップもいちおう用意されていますが、これを回し飲みはちょっと……という感じなので、空のペットボトルに注ぐ。そういえば、うろ覚えだけどパレス温泉にもウォーターサーバーがあったような気がする。
外に出ると、そこは関目の旧き佳き小さな商店街。といっても、そこまでガヤガヤした印象は受けません。
別に目的はありませんが、なんとなくフラフラする。入浴後に意味もなくフラフラしたくなる銭湯は、リラックス度が強い証拠だ。
ひととおりフラフラした後に、北関目公園というまあまあでかい公園で、ノンアルのスーパードライを1杯キメる。
時刻は19時を過ぎたばかり、まだまだ宵の口だ。
あいにく近所の深草温泉は定休日だが、徒歩30分圏内のところにも銭湯は点在しているので、梯子風呂もやろうと思えばできる。あるいは、鉄道路線がせっかく3つもあるのだから、予定もなくテキトーに電車に乗って、流れに身を任せるのも……。
そういう思案を巡らせつつ、まだそこまで本格的に寒くないこの時期に、ダラダラと外で公園でスマホを弄る。
こういうのを、あとどれだけ続けられるだろうかと、ふと考える……ほどには老いておらんのですが、こういうのは、まあまあ贅沢なことなんよな、とは思う。
で、ダラダラしているうちにめんどくさくなってきたので、おとなしく家に帰って、酒を呑んで寝ました。せめて城東区内に家があれば、もっと遊べそうなのだが。