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短編小説1000字

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2024年8月の記事一覧

短編小説 愛を教えなかった女

 心は目の前にいる愛すべき汚れた男を睨みつけた。鳴海は首を横に曲げ遠くをぼんやりと眺めている。反省しているようには見えなかった。ただ、この嫌な空気が流れている瞬間をやり過ごしているように見えた。
「言い訳くらい、してよ」
 心はやっとの事で声を絞り出したが鳴海はどこか他人事だった。
「言い訳、しないよ。浮気というか……」
「向こうが本気だってこと?」
「いや……何というか。みんな同じというか」

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短編小説 「何もしなくていいから」

 あずさはくたくただった。ここのところイレギュラーな仕事が入り、メールをやりとりしたり、会議をしたりして夕方には全身が浮腫んでいると分かるくらい疲れていた。
 家に着いたらまず寝そべろうと思っていた。
「ただいま……」
 パンプスを脱ぎ、玄関に座り込む。あずさは疲れていた。出迎えの陽二の顔を見ることも出来ずにいた。陽二はあずさの隣に座るとそのまま胸に手を当ててきた。
「え?」
 あずさのシャツのボ

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