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短編小説1000字

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2022年7月の記事一覧

短編小説 海の思い出など

 翔太は足首までの位置に入ると、まだ砂浜にいる娘を呼んだ。
「ほら、みぃちゃん。パパの所までおいで」
 深雪はまず翔太と手を繋ぎ、それから引いた腰をゆっくり海の方に動かした。
「ぬるいね」
 拍子抜けしたような声を出す深雪がなんだかおかしくて翔太はふきだした。
 浮き輪の真ん中に体を入れている深雪は、一度越えれば怖さも無くなったらしく翔太より先でぷかぷかと浮き始めた。浜に視線をやれば完全防備の妻が

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