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短編小説1000字

100
大体1000字くらいの短編小説です
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2022年6月の記事一覧

短編小説 ラブレター

 宗は頬杖をついて陽子の宿題する姿を眺めていた。陽子は眉を寄せたりうーんと唸ったりして目の前の紙と格闘している。頑張り屋だから、宗が居ようが居まいが宿題はやり遂げるだろう。宗は母親から褒められたかった。だから陽子をダシにしている。
 ちらりと台所に視線をやる。母親はこちらを見ない。陽子の唸る声が聞こえる。もやもやしたものが胸の中に迫り上がる。
「陽子、大丈夫か?」
「うんー」
 母親に聞こえるよう

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短編小説 98円の卵

「あれ、拓司じゃない?」
 美羽が駆け寄って来るのを、拓司は苦々しく思い小さく舌打ちした。美羽は拓司の持つエコバッグを目敏く見つけると小首を傾げた。
「おつかい?」
「……すきやきに、卵が無いって言うからさ」
「えらーい」
 拗ねたように答えた自分が子供のようで、拓司はさっさとその場を後にしようとした。
「待って待って、私も行くんだスーパー」
 アイス、と美羽は拓司に笑みを向ける。一緒に行かなくて

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