目の前のマシュマロ1個を今すぐ食べるか、少し我慢して2個もらうか
産休に入り突然の暇に耐えきれず、近所の図書館で気になる本を漁る毎日。
その中でも気になったものをメモしていこうと思います。(「`・ω・)「
マシュマロテスト
1960-70年代にスタンフォード大学の心理学者が行った行動科学のテストで、簡単に説明すると
『目の前のマシュマロ1個を今すぐ食べるか、少し我慢して2個もらうか』
を子どもたちに選択させる実験。
現時点では再現性はないなど賛否両論があるなか、当時は
目先の欲求を我慢できる(自制心がある)子=先を見据える力がある。
また、そういう子供は比較的能力(※)が高い。
と言われていました。
※実験当時幼稚園生だった被験者の大学入試試験の結果、さらに中年になってからは前頭前皮質(社会行動の調節に関係するらしい)の活動によって比較していた。
自制心は人間のみならず?
ケンブリッジ大学で、カケスに対して似たような実験をしていました(2022)。
子ども相手の実験では、マシュマロを1個から2個に増やすには15分我慢することを事前に伝えています。
一方で、鳥類相手には人間基準の時間の概念を伝えられないにも関わらず、我慢することができたことに驚きました。
時間というルールを把握しているから我慢するかしないかを判断ができるのであって、
その共通認識が成立していない状態で5分間も我慢しようと思ったジェイロちゃんは果たして本当に頭が良いのか、ただアホなのか真相は不明ですね。( ̄ω ̄)
我慢強さに影響がでてしまう要因
マシュマロが2倍になって返ってくると言われたにも関わらず、1個目で食べてしまう子とそうしなかった子は自身の能力ではなく、
家庭環境や経済格差が大きく影響していたとの研究も発表されています(2018)。
裕福な子は我慢でき、比較的な貧しい環境で育った子ほどすぐに手を伸ばしてしまう。
少し考えればそうですよね。
口約束を疑いなく信じられるということがどんなに恵まれたことか…。
また文化による違いも指摘されています。
京都大学では日本とアメリカの4~5歳児に、マシュマロを報酬とした食べ物条件とラッピングされたプレゼントを報酬としたギフト条件の2種類の満足遅延に関する実験を行っていました(2022)。
結果、日本人は食べ物を目の前にして待つことに対しては強かったものに、
プレゼントを前に開封を待つことにはアメリカ人に比べ我慢出来ない子が多かったらしい。
日本では、全員揃って食事をする食卓文化が根付いているため、食べるのを待つことに対してはそこまでハードルが高くないことは予想がつきます。
一方、面白いと思ったのはプレゼントの実験結果の解釈:
少し話がずれるのですが、クリスマス付近で発売されるアドベントカレンダーの「待つ」仕組みも似ていますね。
幼い頃、親が各窓にチョコが入った簡易アドベントカレンダーを用意してくれたことがありましたが、大体15日付近で我慢できなくなり、気が付くと未開封のはずの窓が開けられているなんてこともあったり。
うちの兄妹達の自制心の低さ...。
我慢できることが偉いのではなく、現状の理解した上で行動に移せるかがポイント
マシュマロテストもある条件下で人間の能力を測る一つの方法に過ぎません。
我慢できたからと言って将来が保証される訳でもないので結論を鵜呑みにせず、こういう実験方法と物の見方があるんだな、と思うくらいが丁度良いのかもしれませんね。
参考文献