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古文の助動詞「じ」の意味・用法を例文つきで解説

古典の助動詞「じ」には、打消推量・打消意志の用法があります。今回は「じ」の活用や接続、意味について、用例をまじえながら解説します。


【POINT】

  • 「じ」は「む」の否定に相当する

  • 文中ではほとんどの場合、終止形で表れる

「じ」の活用

特殊型です

「じ」の接続

未然形


「じ」の意味

打消推量「~ないだろう」

打消意志「~ないようにしよう・~まい」

「じ」は、推量や意志を表す助動詞「む」を否定する語に当たると考えられています。したがって、打消推量(~ないだろう)・打消意志(~ないようにしよう)といった意味を表します。

①打消推量(うちけしすいりょう)「~ないだろう」

【例】万葉集・巻16・3861


(訳)荒雄が帰って来るだろうか、帰って来ないだろうかと、飯を盛って門に出で立ち、待っているけれども、帰って来られない。


※荒雄…「義勇遭難物語の主人公の名。ただし本名でなく、当時の人が仮に作ったものか。」(『新編日本古典文学全集 萬葉集 (4)』128ページ)

②打消意志(うちけしいし)「~ないようにしよう・~まい」

【例1】伊勢物語・60段・花橘

※「ずは」は「~ないで」「~ないならば」などと訳します。詳しい成り立ちについては助動詞「ず」の記事で解説しております。

【例2】源氏物語・若紫


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