血中酸素の変化は自律神経系に影響する?しない?
こんにちは、青木です。
以前、自律神経に関する投稿をしましたが、
そこで呼吸法が自律神経の機能を調整すると
お話ししました。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
交感神経と副交感神経の働くバランスは、
血中の酸素によって調整されると
言われています。
今回はその一般論について、
エビデンスから紐解いていきたいと思います。
それではどうぞ。
結論
血中酸素の変化は自律神経系の活動に
影響を与える
エビデンス
参考論文
「Carotid Body Chemoreceptors: Physiology, Pathology, and Implications for Health and Disease.(頸動脈小体化学受容器:生理学、病理学、および健康と疾患への影響)」
https://doi.org/10.1152/physrev.00039.2019
「Expanding role of ATP as a versatile messenger at carotid and aortic body chemoreceptors(頸動脈および大動脈小体化学受容体における多目的メッセンジャーとしての ATP の役割の拡大)」
https://doi.org/10.1113/jphysiol.2012.234377
酸素量と自律神経系の関連性
動脈化学受容器による酸素量の検知
頸動脈には酸素を感知する
化学受容器があります。
それが「頸動脈小体化学受容器」と
「大動脈化学受容器」です。
この受容器は血中の酸素量が低下すると、
交感神経を活性化させて
筋肉と内臓の血管収縮が促進され、
動脈血圧が維持または上昇します。
また、心拍数は頻脈から徐脈へと
変化することも分かっています。
これは心臓と脳への血流量を
再分配する働きによるものなのです。
どういうことかと言うと、
血中酸素量が減少して低酸素状態になると
脳への酸素供給を優先するため、
骨格筋や心臓への酸素供給を減らします。
そのため、末梢交感神経を活性化させて、
血管収縮を促すことで末梢血流を制限したり、
心臓の活動を抑制して必要酸素量を
減少させたりするのです。
逆に、血中の酸素量が十分満たされると
副交感神経活動が活性化されます。
動脈化学受容器の機能的差異
頸動脈小体と大動脈小体には
それぞれ異なる役割があるとされています。
それが、頸動脈小体は呼吸機能の制御で
大動脈小体は心血管機能の制御です。
つまり、血中の酸素量が減少した際、
頸動脈小体の働きにより咽頭や気管支が拡張して
過換気状態へ移行しようとします。
大動脈小体の場合は心拍出量の増加と
末梢血管の収縮をうながします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ちょっと専門用語が多くて
分かりにくかったかも知れませんw
すごくざっくりまとめると、
血中酸素低下
↓↓↓
動脈化学受容器が酸素の低下を感知
↓↓↓
交感神経が働いて酸素量を増やすように作用
こんな感じで理解していただけたらと思います。
また、酸素量が増えると
上記と逆の反応が起こると考えていいでしょう。
こういった生理学的反応からも、
呼吸の重要性が理解できるのでは
ないでしょうか?
セラピストやインストラクターの方だけでなく、
一般の方もぜひ参考にしていただけると
嬉しいです。
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