医療業界にキャリア教育は必要ないの?医療現場での目標管理のリアル
私は今まで大学病院やケアユニットなどの病院を転職してきたが、どの病院でも目標管理制度があった。そして、普段あまり会話のない上司と目標について話すのが10分~20分程度。書いた目標が良い・悪いについて話し、要望があれば書き直す。その作業や工程すべてが憂鬱だった。
目標を決めたり、上司に修正されたりすることは何のため?そんな疑問に答えてくるれる人は周りにいなかった。
目標設定と面談。これは必要なの?
そんな疑問について書いてみようと思います。
目標管理の本質
企業で目標管理が開始されたのは、ドラッカーの影響が大きいと言われています。その理論では、人から指示される目標(外発的モチベーション)よりも、自分から打ち込める目標(内発的モチベーション)を掲げることで、個人の強みを活かし、企業利益につながるというものでした。つまり個人を成長させることで、組織も成長するという考えです。
形だけの現実
目標管理の本質とは違う利点として、人事評価が容易になりやすいという点です。点数化しやすく、業態ごとに対応もしやすいからです。そのため、本質の利点には目を向けず、人事評価のために行なっている現状があります。
現場では「今年の目標、何にしたっけ?」などの会話が日常的にあります。目標を忘れる?自分がやりたいと心の底から思っている、打ち込める目標を忘れることがありますか。つまり、上司が認めそうな目標を考えて、期限までに提出しているに過ぎません。ボーナス査定に関わるので、達成困難なことは書きません。これが個人を成長させる要素になることはありません。実際に20年間職員教育に携わってきましたが、目標管理が有効と思えたことはありませんでした。
人事評価すらも適当に考えた目標に関する評価には興味はなく、どれくらい評価されたのかを本気で確認している人も少ないとおもいます。頑張っても査定される金額なんて数千~数万円ですから。
目標管理制度が形骸化する理由
・人事評価が主な理由
・人材を育てるためという本質を知らない管理者が多い
・適当な目標設定のため、本人も上司も忘れる
・フィードバックや途中の進捗状況の確認などは実施されない
・そもそも部下が本当にやりたいことを話せる関係性になっていない
キャリア教育が必要
目標管理が個人の成長を促進し、組織の成長を生み出していくには、どうしたらよいでしょうか。
先ほども触れましたが、個人が自ら打ち込める目標を立てることがポイントになります。個人が打ち込める目標をどのように見つけることができるでしょうか。それは、個々の持っている仕事の目的や最終到達地点が何かということについて、個人が理解することを支援していく必要があります。
つまり、自分のキャリアについて、自分で形成し、行動できるように支援していくことが必要です。これがキャリア教育ということになります。
現状の病院や施設では職員のキャリア教育に関心はないように感じます。これは私が20年以上病院で勤務して、1度もキャリアについての研修などはありませんでした。
まずは管理者が自身のキャリア形成を再確認することが必要ですし、部下のキャリア支援に携わり、個人を成長させることで組織を成長させるのが上司の役割なんだと思います。そのためにも医療業界でキャリア教育についての関心が深まる必要があると思っています。特に資格を取得する医療従事者は資格取得の後のキャリアについて、考えずに仕事をしている人が多いからです。
今一度、立ち止まって自分のキャリアを振り返り、今後のキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか?キャリアコンサルタントはその支援をさせていただきますので、相談してみたいという方は下記のホームページへ立ち寄って見て下さい。
ここまで、読んで頂き、ありがとうございました。