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データをもとに,ストレス等について現実的に考える【お休みは?】


令和5年 就労条件総合調査より

Q.「完全週休2日制」の企業割合は?
A.53.3%(労働者の割合としては61.2%) 

  • 「何らかの週休2日制(完全週休2日制を含む)」を採用している企業割合は,85.4%でした.

  • 「何らかの」とは,月に1~3回,週休2日がある,というもののようです.

  • 週休2日よりも実質的に休日が多い制度のある企業は7.5%で,労働者の割合で言うと,9.8%にあたります.週休2日よりも実質的に休日が多いとは,具体的には,月1回以上週休3日制、3勤3休、3勤4休等の制度のことを言うようです.

  • いろいろな制度のあることに率直で,新鮮な驚きがあります.


Q.労働者1人あたりの平均年間休日総数は?
A.115.6日

  • ひと月に10日弱のお休みがある,ということでしょうか.

  • 企業規模が大きいほど休みが多い傾向があるようです.


Q.労働者1人あたりの年次有給休暇の平均取得日数は?
A.10.9日

  • 付与された日数の6割強を取得しているようです.

  • 「宿泊業,飲食サービス業」の平均取得日数が少なめで(6.7日),「電気・ガス・熱供給・水道業」と「複合サービス事業」で,取得率も含めて,多く取得しているようです(14.4日).

  • 平成27年以降,年々,年次有給休暇取得率は上昇傾向にあります.6割以上の取得率となったのは過去30年ほどで初めてです.


Q.夏季休暇、病気休暇等の特別休暇制度がない企業割合は?
A.42.9%

  • 特別休暇とは,法定休暇以外の休暇で夏季休暇や病気休暇,リフレッシュ休暇などがあります.

  • 法定休暇とは,年次有給休暇、産前・産後休暇、育児休業、介護休業、子の看護のための休暇等を言います.

  • 夏季休暇がある企業割合は37.8%です.あるだけ,ありがたいのかもしれません.


Q.変形労働時間制を採用している企業割合は?
A.59.3%(労働者の割合としては,51.7%)

  • 変形時間労働制とは,労働時間を仕事の繁閑によって,変えられる制度で,ひと月内での繁閑に応じるもの(1ヵ月単位),季節の繁閑に応じるもの(1年単位)などいくつか種類があります.フレックスタイム制もそうした種類のひとつです.

  • 企業割合としてもっとも多いのは「1年単位の変形労働時間制」を採用している企業で,労働者の割合としては,「1ヵ月単位の変形時間労働制」がもっとも多いです.

  • ひそかに,フレックスの会社で働くとしたら,と想像してみることがあります.朝早く出勤して,早めに帰りたいです.


Q.みなし時間労働制を採用している企業割合は?
A.14.3%(労働者の割合としては,8.9%)

  • 労働時間の把握が困難な業務などに対して,あらかじめ決めておいた時間分,労働したとみなす制度ですが,労働者が一方的に不利にならないよう配慮もされています.「事業場外みなし労働時間制」,「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3つがあります.


Q.勤務間インターバル制度を導入している企業割合は?
A.6.0%

  • 勤務間インターバル制度とは,終業から翌日の出社までに一定時間以上の休息を取れるようにする制度です.

  • 終業が遅くなった翌日の始業時間を遅らせたり,○時以降の残業を禁止したり,などいくつかやり方があるようです.

  • 9時間(11時間)以上が目指されているようです.

  • 勤務間インターバル制度を導入している企業の平均の勤務間インターバルの時間は,10時間20分でした.企業規模が大きくなるほど平均のインターバル時間が短くなっていました.

  • 終電近くの電車で帰って,急いでお風呂に入って,床に就いて,数時間後に出勤・・・,という大変な思いをしなくて良い世の中になって欲しいですが,いろいろな考えや思いがある領域かとも思います.


Q.時間外労働として,割増賃金率が26%以上の企業割合は?
A.4.37%

  • こういう会社もあるんだな,という感想しかありません.法律上は最低でも25%以上の割増賃金が必要です.


Q.退職給付のない企業割合は?
A.24.8%

  • 退職給付は一時金と年金の2種類があります.両方支給される場合もあります.

  • 一時金があるのは,退職給付がある企業のうちの90.4%で,退職年金があるのは,31.0%です.両方ある企業がありますので,2つを足しても100になりません.一時金と年金とどちらの希望が多いのか気になります.


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カウンセリング研究室 東京三鷹
サポートしてくださると勇気をいただけます.臨床心理の知見で社会に貢献したいと考える臨床心理士です.迷いながらも,できることを,少しずつ,がんばります.HPもご覧くださいませ.https://psychoffice-tokyomitaka.com/